《ベネズエラ》アサド崩壊で揺れるラ米独裁政権=露イラン支援減少が波及するか
第24回米州ボリバル同盟(ALBA=諸国民貿易条約)首脳サミットが14日、ベネズエラの首都カラカスで開催され、10カ国の加盟国代表に加え、ホンジュラスやパレスチナなどの招待国も参加し、地域統合、経済協力、大陸内での政治的強化について議論した。ALBAは04年12月、中南米とカリブ諸国間での連帯、協力、補完性を促進することを目的とし、キューバのフィデル・カストロとベネズエラのウゴ・チャベスによって創立された。今年20周年を迎え、開会式ではベネズエラのマドゥロが同盟の歴史的意義を強調した。 アルゼンチンの『ラ・ナシオン紙』15日付によると、この枠組みは中南米におけるロシアやイランと連携する戦略的拠点として機能する。両国にとって、ベネズエラやキューバは米大陸への足場であり、米国に対抗するための重要な拠点だ。だが、ロシアとイランが注力している自国の戦争が長引き、両国の財政や軍事的余裕が縮小すれば、これらの中南米諸国への支援も減少する可能性が高い。 先週のシリアのアサド政権崩壊は、中南米の独裁政権であるベネズエラのマドゥロ、ニカラグアのオルテガ、キューバのディアスカネル諸氏にも影響を及ぼす可能性があると議論されている。ロシアがウクライナ戦争で疲弊し、イランが後押しするヒズボラがイスラエルに打ちのめされたことで、アサド政権は崩壊に至ったからだ。 ロシアはシリア国内で空爆を行い、イランはヒズボラ戦闘員や革命防衛隊の司令官を投入して地上戦を支えた。だが、両国が自国の戦争に集中する必要に迫られ、アサドへの支援を突然打ち切った結果、政権はわずか10日間で崩壊。これにより、シリア北部の反体制派勢力によるダマスカス攻撃が成功した形となった。アサド政権は崩壊前、石油生産量が日量40万バレルから9千バレルまで激減し、経済基盤も失われていた。 一方、中南米の独裁政権は、ロシアやイランからの支援を受けているものの、依存度は比較的低い。中南米の政権は独自に強固な軍事・経済基盤を築き、反体制派を抑圧しているため、短期的に崩壊する可能性は低いと見られている。 例えばマドゥロ政権は、ロシアの防空システムやイラン製ドローンを活用し、オルテガやディアスカネルも軍事訓練や情報機関のノウハウを共有することで体制維持を図っている。これらはロシアやイランが提供する「反体制鎮圧マニュアル」に基づいていると指摘される。 経済面では、独裁政権が主要な産業や市場を軍や忠誠を誓う支持者に分配し、特権層を形成することで安定を保っている。特にニカラグアでは、自由貿易協定(CAFTA)や米国からの送金が経済の柱だが、これらの外部要因が将来的に脆弱性をもたらす可能性もある。アサド政権が内戦で石油収入の大部分を失ったように、経済的基盤が揺らげば体制維持が困難になる可能性がある。 現時点でマドゥロ、オルテガ、ディアスカネルは軍事と経済の統制を維持しているが、アサドのような急激な崩壊が起こらない保証はないと報じた。