孤独な人生に訪れた奇跡…ドキュメンタリー映画『94歳のゲイ』同性愛者であることを心に秘めて、長い人生を歩んできた男性の物語 吉川元基監督が作品に込めた思いとは
北海道放送(株)
注目の映画が7月6日から札幌で公開されます。長い間、同性愛者であることを誰にも打ち明けられずに生きてきた、男性のドキュメンタリーです。 長谷忠さん:「この顔がいちばん好きやねん…いいと思うやろ」
長谷忠(はせ・ただし)さん。自身が同性愛者であることを、誰にも打ち明けず、心に秘める人生を歩んできました。 ケアマネージャーの梅田さんとは、自身のセクシュアリティを打ち明けあった仲です。
長谷忠さん:「聞いたかな、あんたのことはな、えーと思ったよ」 梅田正宏さん(56):「え、なんのこと?私が…ゲイだってこと?」 長く、同性愛は世界的に病気の一つとされ、厳しい偏見の目にさらされ続けてきました。 記者:(告白はした?) 長谷忠さん:「しない、告白なんて一切してない、一度もしていない」
1971年、同性愛者たちに光を当てる雑誌が誕生します。
“薔薇族”元編集長 伊藤文学さん:「弱いものに目をむける気持ちが、僕の中にあったんじゃないかなと思うんですね」「異常でも変態でもないと言い続けたわけだからね…」 雑誌“薔薇族”の文通欄に、読者から寄せられた投稿です。 《僕はいま、冷たい部屋の中で孤独にあえいでいる》 文通欄には、多い時で1000人以上、当事者の声が寄せられたといいます。 この日、長谷さんは、勉強会に参加しました。 参加者の男性:「いまパートナーと、もう20年一緒に暮らしている」 世代の違う当事者たちの語りは、長谷さんの心も丈夫にします。さらに、長谷さんを慕う、新しい仲間も現れます。 新たに知り合った男性:「幸せだと感じますか…、自分の人生は」 長谷忠さん:「今は寝てばっかりやけど」 新たに知り合った男性:「最終的に幸せならよかった」 映画『94歳のゲイ』―。 長谷さんの生き様を通し、同性愛をめぐる当事者たちの歴史を記録します。 長谷忠さん:「同じゲイどうしやもん、とっても考えられません、僕にとって…まるで奇跡や」
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