センバツ2023 勝利を天国の祖父に 氷見・3年 西川晃成選手 /富山
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)第6日の23日に初戦を迎える氷見の西川晃成選手(3年)。野球を愛し昨年6月に他界した祖父に、甲子園での活躍を誓う。 西川選手の母方の祖父、白尾精治さんは、いとこが王貞治・ソフトバンク球団会長。野球好きで、小学3年から地元のスポーツ少年団で野球を始めた西川選手を応援していた。2016年8月に地元、富山県氷見市で「第26回世界少年野球大会富山大会」が開かれた際、王さんを自宅に招き、大会に出場していた当時小学5年の西川選手を紹介した。大会での西川選手の活躍を見た王さんは、役員席で隣に座った男性に、西川選手を指さし「いい選手でしょう」と目を細めたという。西川選手も「すごくオーラがあった」と言い、その思い出は今も西川選手の原動力だ。 精治さんはその後も、県内の大会はほとんど球場に足を運び、スタンドから孫に声援を送った。だが昨年6月に体調を崩し、夏の富山大会開幕を目前に73歳で他界。西川選手は悲しみの中で、「甲子園に行くから見守っていて」と書いたボールをひつぎに納めた。そして、かなえた甲子園出場。念願の舞台を前に、「勝利を天国の祖父にプレゼントしたい」と意気込んでいる。【青山郁子】