愛媛FCU-18の2年生DF島佑成、プロ契約の先に目指す大きな夢
昨年J3で初優勝を遂げ、今季3シーズンぶり復帰した明治安田J2リーグで20チーム中17位で来季残留を決めた愛媛FCは11月18日、愛媛FCU-18(聖カタリナ学園高校)2年でU-17日本代表DFの島佑成(しま・ゆうせい 2007年5月31日生まれ・175センチ65キロ)の2025年シーズンにおけるプロ契約を発表。過去、愛媛FCU-18(ユース)では2種登録選手として2001~2003年にMF西川司がJFL公式戦、2009年にFW岡本剛史、2022年にFW行友翔哉がJ2公式戦出場を果たしているが、高校生年代時でのプロ契約はクラブ史上初となる。 【フォトギャラリー】 愛媛FC U-18 vs 徳島ヴォルティスユース なお、11月26日には2016年からアカデミー公式戦、トップチーム練習・試合参加時を公欠とするなどの連携協定をしている愛媛県松山市の聖カタリナ学園高内で記者会見を開催した。 会見ではまず近藤実・聖カタリナ学園高校長が「2016年の連携協定以来、愛媛FCU-18から直接のトップ昇格は6人目(過去はDF三原秀真、MF岩井柊弥、GK黒川雷平、FW行友翔哉、GK牧口一真)。これも本人の地道な努力と愛媛FCによる尽力の賜物」とあいさつ。 続いて大田康雄・愛媛FCアカデミーダイレクターが「今年1月に彼がヴィッセル神戸U-18から移籍して以来、ピッチ内外でチームの競争、プレー強度が上がっている。トップチームでもリーダーシップを発揮してほしい」と今季は主に左センターバックとして、日本クラブユースサッカー選手権(U-18)ではグループステージでは東京ヴェルディユース、湘南ベルマーレU-18から勝利。加えて17戦無敗での2年ぶり10度目・高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 四国制覇に大きく貢献した彼の働きと期待について述べた。 そして、落ち着いた表情でマイクを手にした島は「素晴らしいクラブとプロ契約できたことを嬉しく思います。これも小中高で育て頂いた監督・コーチ、チームメイト、学校関係者のおかげ。在学中のプロ契約ということは自分に責任が伴うもの。早くトップチームで出場したい」とまずは愛媛FCでの意気込みについて話した。 その上でチーム内の役割として「今年5月に2種登録され、トップチームの練習に参加した時も会話をしてくれ、リーダーシップを取ってポジティブな声かけをしていた。それ以来、僕も愛媛FCU-18内でポジティブな声かけをするようになった」と、今季で引退したDF森脇良太選手からの学びを活かし「年上とかは関係なく熱意あるプレーをしたいし、コミュニケーションを取って森脇さんのように愛される選手になりたい」と決意を示している。 また、島は今年8月にフレンドシップ協定を結んでいるSCフライブルグ(ドイツ1部)のU-21チームに短期留学。U-17日本代表としても9月に第26回国際ユースサッカーin新潟(優勝)、11月にクロアチア遠征を経験した国際経験に立脚した、その先の目標についても言及。 すでに日常会話レベルではまったく問題ない英語の語学力。加えて「センアーノ神戸ジュニア時代に相手の目を見てプレーすることを教えられて、予測のプレーができるようになった」インテリジェンス性と「フライブルグU-19の練習試合に1試合出させてもらった時にもしっかり声かけをできれば問題なくプレーできることを知った」実体験を踏まえ、「まずは愛媛FCで結果を残すこと」を前提に「(日本人所属チームではまだない)UEFA(欧州)チャンピオンズリーグ優勝を自分のいるチームでしてみたい想いはあるし、W杯優勝も自分の夢。期待に応えられるように頑張りたい」と大きな夢を語った。 「世界で活躍できる選手を輩出するクラブフィロソフィーを実現する上でもさらなる高みを目指してほしい」と青野大介・愛媛FCゼネラルマネージャーも激励したように、日本のみならず世界でも重宝されるレフティーでのサイドバック、センターバック、ボランチの守備的位置をすべてこなせ、積極的攻撃参加にも長ける島佑成の武器は、本人も課題にあげるフィジカル、クロス向上が為されればさらに輝きを増すはず。 兵庫県で育まれ、愛媛の地で人間的成長を加えた俊英は、まずは来月、愛媛FCU-18での大仕事となるプレミア復帰を果たした上で、来季「自分の目指すイメージはマルセロ(元ブラジル代表)。周囲からはジョルデイ・アルバ(元スペイン代表)を目指せと言われる」左サイドバックレギュラー獲得と、愛媛FCでの躍動を目指す。