「島耕作」の弘兼憲史さん、大学で最後の講義 20年務めた客員教授にピリオド
山口県岩国市出身の漫画家弘兼憲史さん(77)=東京都=が、周南公立大(周南市)の客員教授を本年度で退く。漫画やアニメなどのコンテンツ産業で活躍する人材の育成に一役買おうと、年1回の特別講義を徳山大だった頃から20年続けた。11月下旬に最後の講義があり、学生たちにエールを送った。 【画像】74歳島耕作が社外取締役に 代表作「島耕作」シリーズを「エンターテインメントと情報が半々」と明かし、取材を重視してきた弘兼さん。この日は取材の学びとして、国内総生産(GDP)の見通しや少子高齢化、安楽死の是非などの話題を学生や市民たち約50人に説明した。講義後はサインや撮影にも応じた。 弘兼さんは、知的財産を創造する人材を育てる「知財開発コース」が徳山大に新設された2005年に就任。デッサンの仕方や取材の心構えなどを教えてきた。コース出身者から漫画家も出ている。退任は、今春の学部学科の再編に伴うコースの終了や喜寿を迎えた弘兼さんの意向を理由に決まった。 弘兼さんは高校まで岩国市で過ごした。今年が画業50周年。「絵がうまいと漫画家になれるわけでもない。厳しい世界だが、多くの人が読んでくれるのは感動する。頑張ってほしい」と激励していた。
中国新聞社