29年ぶり関東大会Vの山梨学院 初戦敗退の昨年の雪辱誓う センバツ出場校紹介
山梨学院は2年連続6回目の出場となる。昨秋は投打がかみ合い、関東大会で29年ぶりに優勝した。春夏連続で甲子園に出場した前チームの頃から主力だった選手5人が上位打線に名を連ね、帰ってきた甲子園でさらにパワーアップした姿を見せる。
強打で勝ち上がった秋
昨秋の県大会は苦しい試合もあったが勝ち抜き、関東大会でもエース林謙吾(2年)の力投で29年ぶり2回目の優勝を果たした。 県大会は、1、2回戦をともに五回コールド勝ち。準々決勝では東海大甲府に6―5で競り勝ち、準決勝では日本航空を5―2で降した。駿台甲府との決勝は4番・高橋海翔(2年)が満塁本塁打を放つなどして10―4で快勝した。
関東大会では、全4試合で先発した林の緩急をつけた投球が光った。初戦の成田(千葉)戦は3―0で星野泰輝(2年)と零封リレー。山村学園(埼玉)との準々決勝も9―1で退けた。完投した準決勝の健大高崎(群馬)戦では4安打6奪三振の好投で5―2で勝利。決勝では、進藤天(2年)と佐仲大輝(2年)の本塁打で援護をもらい、専大松戸(千葉)を9―3で破って頂点に立った。
林の成長が支えた投手陣
投手陣では、右腕・林の成長ぶりが秋の躍進を支えた。右上手の典型的なフォームから最速139キロの直球にカットボール、カーブ、チェンジアップを織り交ぜる緩急が生命線。フォームの修正に取り組み、直球の力強さや変化球のキレが向上した。背番号「10」を背負った関東大会は全4試合に先発し、30イニングあまりを投げて3失点、防御率0・89と抜群の安定感で優勝に貢献した。
関東大会4試合で34安打26得点と好調だった打線は、4番・高橋と5番・佐仲に長打が見込める。下位打線も振りが鋭く、どこからでも得点が狙える。中でも高橋については吉田洸二監督が「バットの芯で捉える能力が高く、体も強くなった。4番に起きたくなる選手」と全幅の信頼を置いている。
前チームは、かつて長崎・清峰高でセンバツを制した吉田監督が「全国優勝を狙える力がある」と認めながら、甲子園では春夏共に初戦で敗れた。主将の進藤は「甲子園を経験したから得られたものがある。チーム力は去年の方が高いかもしれないが、チームワークの良さは負けない。昨年の悔しさを晴らしたい」と意気込む。