大学・短大進学で1689人転出超過 広島県2023年度 東京や大阪の大都市圏が上位占める中、隣の岡山県にも・・・
広島県で2023年度、大学・短大進学時に県からの転出者が転入者を上回る「転出超過」が1689人となり、過去10年で22年度に次いで2番目に多くなった。転出超過は東京都や大阪府など大都市圏が上位を占めたほか、岡山県への流出も目立った。広島県は県外の学生たちにUターン就職を働きかけ、若者減少に歯止めをかけたい考えだ。 【表】大学・短大進学時の広島県の転入出、都道府県別一覧 文部科学省の学校基本調査によると、県外の大学・短大に進んだ県内の高卒者は7138人。県外から県内に進学した5449人を上回った。転出超過は過去10年では22年度の1691人に次ぐ多さだった。 県内の高卒者のうち23年度に大学・短大へ進学したのは1万5257人。県内の大学・短大の総定員は1万4284人となっており、定員を満たした場合でも973人の転出超過が生じる状況だ。県は定員充足率の低下や大学進学率の高まりが転出超過の高止まりに影響したとみる。 都道府県別の大学進学に伴う転出超過は東京都が817人で最多。大阪府の813人が続き、大学や企業の多い大都市圏の人気がうかがえる。次いで京都府610人▽兵庫県257人▽岡山県255人―だった。短大進学での転出超過は岡山県の109人が最も多かった。 総務省の23年の人口移動報告で広島県の転出超過は1万1409人に上り、都道府県別で3年連続最多となった。年齢層別では20~24歳が最も多く、県は進学を機に県外に出た若者がそのまま首都圏や関西圏で就職するケースが多いとみる。 こうした状況を受け、県は学生にUターン就職を促す活動に力を入れている。県内企業の若手社員を「就活サポーター」に任命し、首都圏などの学生に広島の企業の魅力を伝えるオンラインイベントを企画。交流サイト(SNS)での情報発信も強めていく。 県雇用労働政策課は「県外に進学した学生は地元企業を知らない人も多い。同じ大学出身の先輩社員も紹介するなどし、県内就職を後押ししたい」としている。
中国新聞社