安房は「優位な産地」 花の市場傾向や物流についての講演会 館山(千葉県)
館山市の県南総文化ホールで、花きの卸売会社「大田花き」(東京)の磯村信夫社長による講演会が開かれた。磯村さんは、世界最大級の花の消費地である首都圏にある安房地域は、国内の他の生産地より優位にあると指摘。「もうかる花の生産」に力を入れるように呼び掛けた。 JA安房が、農業としての花の生産を活性化しようと開いた。同JAの花き支部員や行政機関の関係者ら約120人が参加した。テーマは「物流2024年問題における市場変化」「儲(もう)かる農業にしていくためには」。 講演で磯村さんは、首都圏にある安房地域は、運搬コストを抑えて消費地に出荷できる点や、羽田、成田両空港に近いことから海外への輸出でも有利であることを指摘した。 安房地域の花の生産者が「もうかるためにするべきこと」として、▽消費者や小売店の動向を知り、小売店とコミュニケーションを取って作付けの傾向と対策を取る▽個人の生産者は共撰、共販を検討する▽経営の大規模化を目指す――などとアドバイスした。 また、物流ドライバーの残業時間を規制強化する2024年物流問題について、「24年度末ごろに本格的な影響がやって来るとみている。効率性の向上や作業時間の短縮など、問題に対して地域で考えるのか、JAがとりまとめるのか、早急に対応を考えるべき」と対策を取るように促した。 こうしたアドバイスについて、南房総市富浦地区のカーネーション農家、岩田秀一さん(47)は「大規模な消費地である首都圏にある千葉の花き生産は重要視されていることを改めて知った。規模拡大を考えていきたい」と話した。