即トレンド1位!『ブラタモリ』3夜連続の復活放送が「こんなに歓迎される」理由
令和に合い、支持を集めるタモリ
一方、『ブラタモリ』はロケ番組だが、歴史、地理、文化、風習などを幅広く扱い、それでいて何気ないクイズのような問いかけや、ほどよいユーモアなどを織り交ぜるなどエンタメ性が高い。何より「今まで知らなかった街の魅力や個性に気づかせてくれる」ことが支持のベースになっている。 さらにタモリと各地の識者が落ち着いたトーンで言葉を交わす演出は、「うるさい」といわれがちな民放のロケ番組とは一線を画している。台本にとらわれずタモリの目線でロケを進めるなど、その存在感とスキルあってこその番組だが、「民放では成立しづらい唯一無二のロケ番組」であることは確かだ。 “ロス”に関して言えば、「ブラタモリ“ロス”」だけでなく、「タモ“ロス”」というニュアンスが大きいことも事実。2014年に『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、2023年に『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)が終了した際、「タモ“ロス”」が叫ばれたことをいまだに覚えている人もいるだろう。 現在タモリの姿を見られるレギュラー番組は『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)のみ。アラフォー以上にとっては「タモリを見て育った」「タモリMCの好きな番組があった」という人が多く、実際に自らの人生や加齢に重ね合わせるようなコメントも目立っている。 また、タモリは大ベテランながら若い世代からの評判も上々。好きなことをマイペースで楽しむ脱力した生き方、「誰かと競わない」「反省しない」などの浮き沈みのない考え方が支持されているが、むしろ令和の今こそ最もハマる時代なのかもしれない。
楽しそうに歩く姿が健康の証
現在タモリは79歳であり、健康問題を不安視する声があがっても仕方がない年齢と言っていいのではないか。タモリ自身、ふだんから散歩をするなど健康であることを明かしてきたが、それでも「いつ病気になるかわからない年齢」「さすがに街歩きのロケは厳しそう」などと不安視する声は減っていない。 それも無理はないだろう。この1年で中尾彬さん(81歳没)、山本陽子さん(81歳没)、園まりさん(80歳没)、谷村新司さん(74歳没)、八代亜紀さん(73歳没)、大橋純子さん(73歳没)、伊集院静さん(73歳没)、鳥山明さん(68歳没)など大物の訃報があった。 それだけに『ミュージックステーション』で立ち姿を見るだけではなく、『ブラタモリ』で全国を歩く姿が見られることの安心感は大きい。タモリの熱烈なファンでなくても、「『ブラタモリ』で楽しそうに歩くタモリの笑顔を見るとホッとする」という人は多いのではないか。 しかも長年出演してきた『笑っていいとも!』は新宿アルタで、『タモリ倶楽部』は東京周辺のロケだっただけに、遠方へのロケが多い『ブラタモリ』における健康チェックの意味合いは大きい。 また、タモリの盟友でもある黒柳徹子は現在91歳であり、『徹子の部屋』でその姿を見られることが安心感につながっている。ただ90代の高齢だけに仕方ないが、座っているだけでは健康状態がわかりづらいところもあり、ときに“ブラ徹子”のようなロケも見せてもらい安心したいところだろう。 さらに今春は81歳の関口宏が『サンデーモーニング』(TBS系)の総合司会、77歳のビートたけしが『奇跡体験!アンビリーバボー』(フジテレビ系)のストーリーテラーを卒業。80歳の草野仁が番組の顔を務めてきた『日立 世界ふしぎ発見』(TBS系)もレギュラー放送を終了するなど、「大物司会者たちが長寿番組から去る」というニュースが続いていた。 そんな昭和・平成を彩ってきた大物たちの出演番組が減っていることも、『ブラタモリ』への思い入れが増す背景になっている。