【特集】「仕事がない、何もできない、学もない」元力士が引退後に直面する“セカンドキャリア”問題 次なる“土俵”は『介護職』から『お笑い芸人』『力士専門芸能プロ』まで…多様化する選択肢とそれぞれの挑戦を追う
(山田さん) 「相撲という仕事をやめたあと、何もなかった。仕事がない、何もできない、学もない、というところで悩んでいたときに声をかけていただいて、そこから介護のほうに。相撲取りをやっていたときって、高齢者の方に応援していただいていました。恩返しというわけではないですけど、お役に立てるのではないかなと思っています」
(元「貴浦太」・三浦雄吾さん) 「工場の警備員を10年やっていました。見栄えとかでけん制するのが大切なので、本当に必要とされていると感じるところはあります。周りの方から『ありがとう』という声をもらえると、ちゃんとやれているなという実感に繋がります」
さらに、上河さんは新たに、引退する力士の就労を支援しようと『力士セカンドキャリア推進協会』を立ち上げ、若くして引退しても働き続けられる環境を作ります。 (上河さん) 「ひとつのスポーツを一生懸命がんばった後に、次の人生は自分で考えないといけない。そのときの手助けになれれば良いな、という思いです」
“第二の人生”広がりつつある選択肢…選んだ道は”お笑い芸人”「相撲界に恩返しできたら」
力士のセカンドキャリアの選択肢は、少しずつ広がりつつあります。引退後、不動産の仲介業をしながら国家資格の取得を目指している人もいれば、タクシーの運転手として働く人も。
さらに、元力士は“お笑いの世界”にも。吉本興業所属のお笑い芸人・めっちゃさんは、中学校卒業と同時に入門し、「安大ノ浪」の四股名で3年間土俵を務めました。
引退は、少し早めの18歳。翌年、吉本興業の養成所に入所したのには、あるきっかけがありました。 (めっちゃさん) 「相撲の新年会で“かくし芸”をせなあかんかったんですけど、後援会の人のモノマネをして優勝したんです。『新弟子で優勝したのは、おまえが初めてや』って親方たちに言われて、それで気持ち良くなって、相撲の稽古より笑いのほうにどんどん走っていきました。それで、相撲をやめたときに人を笑かすというのが根底にあって、『じゃあ吉本の養成所に行こ』みたいな感じで(笑)」
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