<BOX速報>引退撤回のパッキャオが3-0判定勝利で王座復帰!
この試合が初防衛戦となる王者のバルガスは、今年3月の決定戦でロンドン五輪代表のサダム・アリを9ラウンドTKOで葬って2階級王座に成功していた勢いに乗るボクサーである。再び“距離”でパッキャオを支配しようとするが、パッキャオも、強引にテンポアップして対抗、プレッシャーを弱めない。 バルガスは8ラウンドに眉間のあたりをカット、ラウンドを重ねるごとに右目が腫れ始めた。 スタミナが不安視される終盤も、パッキャオは前へ前へと出ながら左のパンチを狙い、バルガスの反撃を封じ込む。11ラウンドには、ひっかけるような右フックでバルガスが手をつくシーンもあったが、レフェリーは、スリップのジャッジ。パッキャオは、途中ダメージを負うような危険な場面もないまま、フルラウンドを戦い抜いた。全盛期の回転力や爆発力はなかったが、随所にパッキャオらしいスピードとステップインの鋭さを見せつけて37歳とは思えない存在感を十分にアピールした。 判定は、114-113、118-109、118ー109で、一人だけ僅差だったが、3-0の圧勝だった。 試合後、パッキャオは、リング上のインタビューで「うれしいですね。油断しないように、慎重に戦った。もっとできたかもしれないが、どのラウンドもノックアウトを狙っていたんだ」と笑顔で語った。 次の試合は、どうするかと聞かれ、「とりあえずフィリピンに戻って仕事をします。次の試合に関しては、ボブ・アラムと相談しますよ」とはぐらかすと、WBO世界スーパーライト級王者 のテレンス・クロフォードと、引退したフロイド・メイウェザーがリングサイドにいたことを告げられ、「彼らと戦いたいか?」と聞かれた。 会場は大きく沸いたが、「わかりません。人々が望む試合をしたい。でも今、私が選ぶことはしない。プロモーターの考えに沿いたい」と、慎重に答えた。 さらに「あなたの意見は?」と突っ込まれたが、「147ポイントで戦えるなら誰でもいい。140ポンドに落としてもできますよ」と、クロフォード戦にも含みを残した。 一方、敗れたバルガスは、「接戦だったと思うし、ファンも楽しんだと思う。カウンターの応酬もできた。彼のいいパンチを(2ラウンドに)もらったが、私のいいパンチもあった。ダウンには驚いたが、あれで目が醒めた。ダメージはなく、一瞬、倒れただけ。いいパンチをもらったことは認めるが、ああいうアンラッキーなパンチで倒れることはよくあること。マニー(パッキャオ)は、凄くスピードがあった」と、ショックの色を見せることなく、雄弁に語っていた。