「訴え評価」被団協へ祝福相次ぐ 思い受け継ぎ、歩み決意
ノーベル平和賞決定を受け、被団協の木戸季市事務局長(84)は「苦しみにあらがいながら、再び被爆者をつくるなと願ってやってきた先輩たちの顔が次々と浮かぶ」と声を詰まらせた。核兵器禁止条約に触れ「被爆者が実現させた。ずっと訴えてきたことに対する賞だ」と受け止めた。 和田征子事務局次長(80)は「これをきっかけに、日本政府は核兵器禁止条約の締約国会議にせめてオブザーバー参加し、役割を果たしてほしい」と求めた。 「やったね、うれしいね…」。浜住治郎事務局次長(78)は感慨深げ。ただ、近年、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの戦闘など、国際情勢は不安定さを増している。「活動を広げていく後押しになる。核兵器がこの世に存在する以上、世界全ての人の問題。一歩ずつ進んでいきたい」と話した。 東京都港区の被団協事務所は、国内外から祝福の電話が鳴りやまなかった。事務室長の工藤雅子さん(62)は被爆者の高齢化に触れ「証言を聞ける最後の機会。今こそ引き継いでいかなければならない」と力を込めた。