猛威ふるうインフルエンザ 医療機関では受診を断るケースも 薬局では1月9日時点で12月の1か月分近くの薬を処方
あいテレビ
愛媛県内でもインフルエンザが猛威を振るっています。この時期としては過去最多の患者数が報告されるなど、感染拡大が止まりません。こうした中、県内の薬局は治療薬の供給状況を懸念しています。 【写真を見る】医療機関では受診を断るケースも 松山市にある越智クリニック。10日も朝から多くの患者が診察に訪れていました。クリニックでは、発熱患者を隔離するために「内視鏡室」を臨時の診察室として使用していました。こちらでは現在、発熱患者の受診を予約制にしていて、1日およそ20人を診ていて、そのうち6割ほどの人にインフルエンザの陽性反応が出ているということです。 県によりますと、年末年始を含む今月5日までの1週間に定点医療機関から報告された患者の数は、1か所あたり34.3人。県内全域で警報レベルが続いていて、同じ時期としては過去最多となっています。 越智クリニック 越智邦明院長 「家の中での感染、家族内感染も非常に多いと思います」 越智邦明院長は、病院で受け入れることができる人数を上回る患者数だと話します。 越智邦明院長 「この20年には少なくとも経験がないと思います。ひっ迫ですね。『申し訳ないけども』ということで診察を断ることも、受付が気の毒に思うくらい数が多い」 こうした中、松山市内の薬局ではインフルエンザ治療薬の不足を懸念しています。 ハッピー薬局 寺尾拓馬さん 「今の薬の供給状況は非常に不安で、綱渡りのような状態だなと感じております」 患者数の増加により、一部の製薬会社は薬の製造に力を注ぐとして、治療薬の供給を一時的に停止すると発表。一方で、医師が処方する治療薬の数は日ごとに増えていて、需要が供給を上回る状態が続いているといいます。 ハッピー薬局 寺尾拓馬さん 「12月の使用量は1か月のトータルで1028カプセル出ている。1月は950カプセル出ております。1月9日の時点で、先月の1か月分に近いくらいの数が出ているんですね。ここ数年なかった数字になりますね」 感染拡大が止まらないインフルエンザ。医療機関や薬局のひっ迫した状況は厳しさを増しています。 また、越智院長によりますと、現在は発熱やのどの痛みなどを伴う「A型」が流行しているということです。 効果的な予防方法はあるのか。越智院長によりますと、こまめな手洗い・うがいはもちろん、換気が効果的だということです。 越智クリニックでは院内感染を防ぐため、インフルエンザの陽性者が確認されるたびに診察室の窓を開けるなど、こまめな換気を行っています。 越智邦明院長 「ウイルスを換気することで追い出すということも、これからは注意してこまめにした方がいいと思います。こっちの窓を開けるだけではだめでこっちの窓も開けて風が通るということ。実際に2~3分でもあればかなり違うと思います」 コロナ禍で当たり前だった換気ですが、最近は出来ていなかったという方もいらっしゃるかもしれません。 今シーズンは「A型」の流行が2か月ほど早く、越智院長によると、感染のピークは今月末ごろまでではないかということでした。 一方で来月以降は吐き気や下痢などを伴う「インフルエンザB型」が増えてくるのではないかと見ていて、引き続き最大限の感染防止策が求められています。