『君が代』にブーイング、ピッチ幅をわざと狭く…現地取材記者が見た中国サッカー陣営「せこくて姑息」な嫌がらせの数々
11月19日、中国の厦門(アモイ)白鷺体育場でおこなわれた、2026年W杯北中米アジア最終予選の中国対日本は、予想どおり日本が終始、試合を支配し、3-1で勝利した。 だが、中国の“非礼”は予想を上回ったものだった。試合前、両国の国歌斉唱では、日本の『君が代』に対し中国サポーターが一斉に大ブーイングを浴びせたのだ。試合する国同士にどんな因縁があっても、相手の国歌斉唱のときは沈黙を守る。それがサッカー界の暗黙の了解になっているのだが……。 そうした“嫌がらせ”は、じつは試合前日から始まっていたという。国際サッカー連盟(FIFA)は、国際マッチをおこなうピッチ幅は、横幅68mを奨励しているが、会場となった厦門白鷺体育館のピッチは、両サイドともに1.5m短くし、計3mも狭くしていたのだ。現地で取材したサッカーライターが語る。 「練習では、下に降りてピッチを平面で見るのでわからなかったのですが、試合で上から見ていると、はっきりと横幅が狭いとわかりました。サッカーにおける後進国では、横幅が極端に狭い競技場を見たことはあります。ただ、今回の場合は、わざわざ短くし、しかも元のラインも薄く残っているんです。こんなことは前代未聞ですね(笑)。 これは、日本がサイドチェンジなどピッチを幅広く使うこと、両サイドからの崩しが多いこと、そして中国が4バックで守ることからの対策ですが、あまりにもせこいやり方です」 試合中にも“嫌がらせ”は起きた。GK鈴木彩艶(ざいおん)ら多くの日本選手が、レーザーポインターを照射された。前半33分過ぎには、ピッチに中国人サポーターが乱入し、試合を中断させた。本来、乱入者が出るということは、その国のサッカー協会の責任ととらえられても仕方のないことだ。 また、中国のサッカーは“カンフーサッカー”と揶揄されるほど、悪質で選手生命を脅かす反則もいとわない、との噂がたつほどで、それに比べれば、19日の試合はまだおとなしいほうだったが、それでも悪質なファールは多発した。特徴的だったのは、悪質とわかっていてファールし、そのあとすぐに謝って助け起こす行為。要するに審判への印象をよくし、イエローカードやレッドカードをもらわない手段だ。 もっとも、中国の“嫌がらせ”は、「結果として、報いを受けることとなった」と前出のサッカーライターは語る。 「前半は、なかなかシュートが打てなかった日本ですが、乱入者のおかげで一度、リセットでき、そのおかげでリズムが出始めました。前半2ゴールは、ともに左右のコーナーキックから。中国が左右1.5mずつ短くしてくれたおかげで、キッカーの久保建英(たけふさ)は、より正確なキックでアシストできました。中国の姑息な手段さまさまです(笑)。 ただ、中国サッカー協会に何らかの罰があることは当然です。日本対バーレーン戦では、バーレーンのサポーターが、中国と同じく国歌斉唱時にブーイングしたほか、日本のPK時にFW上田綺世(あやせ)にレーザーポインターを照射したとして、バーレーンサッカー協会が1万スイスフラン(約175万円)の罰金処分を科されています。中国サッカー協会にも同様なことが起きるでしょう」 中国チームとの戦いでは、必ずといっていいほどつきまとう“アウェーの洗礼”。だが、もはやそれだけでは済まされない事態となっている。FIFAやアジアサッカー連盟(AFC)がどのような処分を下すのか、注目される。