<メタリックルージュ>出渕裕インタビュー 女性版キカイダー!? 特撮ならではの作法をアニメに
アニメ制作会社・ボンズと「機動警察パトレイバー」のメカニックデザインなどで知られる出渕裕さんがタッグを組んだオリジナルテレビアニメ「メタリックルージュ」がフジテレビの深夜アニメ枠「+Ultra(プラスウルトラ)」で放送されている。出渕さんとボンズがタッグを組むのは約19年ぶりということも話題になっている。出渕さんに、同作の誕生の裏側を聞いた。 【写真特集】女性版キカイダー!? デザインも格好いい 美少女も 「メタリックルージュ」ビジュアル一挙公開
◇まずは歴史、世界観を構築した
「メタリックルージュ」は「キャロル&チューズデイ」などの堀元宣さんが監督を務め、「カウボーイビバップ」などの川元利浩さんがキャラクターデザインを担当。出渕さんは総監修、シリーズ構成として参加する。ボンズと出渕さんがタッグを組むのは、2002年放送のテレビアニメ「ラーゼフォン」以来、約19年ぶりということだが……。
「ボンズと仕事をしていなかったわけではないんですよ。デザインや脚本、企画の立ち上げの時にお手伝いしたこともありますし、南君(ボンズの代表取締役の南雅彦プロデューサー)とはたまに飲みにいきますしね。一から一緒に作るのは19年ぶりということです。ボンズは、南君がオリジナルアニメをやりたくて立ち上げた会社でもあるので、ヤマト(『宇宙戦艦ヤマト2199』)が終わったタイミングで、久しぶりに一緒にオリジナルアニメをやろう!という話から始まっています。その時は、SFをちゃんとやってみようという話をしていました。結果としてSFが肝となる作品ではなくなってしまった感はあるのですが」
まずは世界観を構築するところから始めた。
「以前から自分の中でずっとシミュレーションしていたものがいくつかあり、最初に三つほどの企画を提示しました。三つともそれぞれ全く別のアプローチのものを考えていたのですが、話していくうちに、それを統合して一つ歴史を作っていくことは可能だと気づいたんです。例えば『ガンダム』であれば、宇宙世紀という歴史がありますよね。その縦軸から派生していくことが可能な歴史、世界観を構築していってみようと。その上でだったら、その三つのうちの一つの話を膨らませて、世界観に組み込むことができるんじゃないか……となったのが女の子のアンドロイドの話。つまり今回の『メタリックルージュ』だったんです」