子どものために「地方のマイホーム」購入は危険でしょうか? 妻は「財産を残せるから」と言いますが、4000万円のローンを組むのは不安です
マイホームは財産であり、住宅ローンを組んで購入したとしても、完済したあとは子どもに残せる財産になるでしょう。特に地方では都市部に比べて大きな土地に大きな家を建てやすいといえます。ただ、だからといって無理してでも購入したほうがよいのでしょうか。本記事で解説します。
地方の地価
2023年の公示地価において最も地価平均の高い県は東京都となっており、坪単価は約383万円です。一般的に土地の実勢価格は公示地価の1.1~1.2倍といわれています。 ここでは敷地面積は考えずに、31坪(2022年度住宅面積の全国平均)の住宅分だけの土地を買おうとするとして計算すると、約383万円×1.2×31坪=約1420万円が必要になります。気軽に購入できる金額ではありませんね。 これに対して地価平均の最も低い県は秋田県で、坪単価は約8万円となっています。31坪では約8万円×1.2×31坪=約300万円で、東京の5分の1ほどの金額で手が届きます。
「子どもに財産が残せるから」無理して購入すべきなのか?
結論からいうと、「子どもに財産が残せるから」という理由だけで無理をして購入することはおすすめできません。地方であればマイホームに手が出しやすい分、なおさらです。その理由を紹介します。 ■マイホームの価値は下がる一方 マイホームは財産ではありますが不動産であり、その価値は現金のように一定ではありません。4000万円で購入したマイホームが、子どもに相続するときに4000万円の価値とは限らないのです。戸建ては一般的に築25~35年程度で0円評価となる場合が多く、親が死亡する頃には家本体に価値はないと考えておいたほうがよさそうです。 ■地方の土地の価値は低い マイホームの価値が0円となったとき、残された財産価値は土地のみとなりますが、地方の土地ではその評価額も低い場合が多いでしょう。自分が購入したときの金額を思い返してみれば分かるかと思います。 土地は家本体と違って時の経過に比例した減価はしませんが、土地購入後に周辺でよほどの都市開発が行われない限り、価値が上がることも考えにくいです。売れたとしても、購入価格と同等であればラッキーと思っていたほうがよいでしょう。 ■売れるか分からない 子どもが相続したマイホームを売りたい場合、地方だとすぐに売れない可能性が高いでしょう。都市部に比べて市場規模が小さく、十分な需要が得られないからです。それでも売り急いだ場合には、相場より低い値段で買いたたかれるかもしれません。