「爪噛み症」なぜ噛んでしまうのか?…皮膚科医・小児科医と考える 身体への影響は?対処法は?「爪噛みは親の愛情不足」は迷信
そのほかに薬物療法もあるため、皮膚科と精神科の両方に診てもらうと良いということです。 ▽「爪噛み症」子どもによくみられるのはなぜ?やめさせるべき? 続いて、小児科医に話を聞きました。 小児科医・新生児科医 今西洋介さん 「爪噛みは、いわゆる『代償行為』なんです。ストレスや不安を感じたときの代償行為として爪を噛むんですよね。 原因が社会性の未熟さってよく言われていて、つまり、社会的に自分でモノが言えないから、爪を噛むとか代償行為を引き起こしてしまう。 代償行為としては、ほかにも指をしゃぶったりとか、あるいは性器触ったりとかが子どもにはよくあるんですけど、これらは成長するとともに、減っていきます」 今西医師は、子どもの爪噛みは強制的にやめさせる必要はないとした上で、子どものストレスの原因を探ってあげることが重要だと話します。 小児科医・新生児科医 今西洋介さん 「無理やりやめさせると、逆に症状が悪化してしまって、余計に爪を噛む頻度が高くなってしまうことがあります。ですから、できれば注意せずに、そのストレスの原因を探ってあげることが重要だと思います」 ▽「爪噛みは親の愛情不足」は迷信? インターネットやSNSでは、爪噛みの原因は愛情不足によるものという情報もありますが、医学的にみてどうなのでしょうか。 小児科医・新生児科医 今西洋介さん 「それは全然関係ないです。愛情不足だから爪噛み症になるというのは、間違った指摘だと思います。爪噛みの原因が分からないから、親の愛情に原因があると考えてしまうのだと思います。 背景にある子どもの状況とか成長発達具合。例えば、学校で何か不安なことがあったり、集団生活で不安なことがあったりすると爪を噛むっていうことが結構よくあることなので、できればそういうことを親としては注意してもらえればいいと思います」 ▽記者も「爪噛み症」当事者 ちなみに、今回取材した現在20代後半の記者自身も、長年「爪噛み症」に悩まされた一人。幼少期~大学卒業直前まで10年以上、親に毎日注意されても、自分自身やめたいと思っていても、噛むことをやめられませんでした。可愛いネイルを楽しむ友人が増えるにつれて、焦りは募る一方でした。
親とも相談の末、数か月後にネイルサロンの予約を取り、それまでは何があっても噛まずに爪を伸ばすという手段で何とか我慢することができました。 ネイルをすることで爪が硬くなり、噛むことが物理的にできなくなったことで、現在は爪噛みぐせを乗り越えることができています。
山陰放送