岩手山で地殻変動続くも「警戒範囲の拡大考えていない」気象庁
初めて噴火警戒レベルが2に引き上げられた、岩手県にある岩手山について、気象庁は8日の会見で地殻変動は続いているものの、現在、想定火口から2キロとしている警戒範囲の拡大は考えていないとの見解を示しました。 岩手山では先月、地下の浅い部分が膨らむような地殻変動が観測されたとして、気象庁が今月2日、5段階の噴火警戒レベルを1から2に引き上げ、西側にある大地獄谷からおおむね2キロの範囲で噴火による大きな噴石に警戒が必要としています。 気象庁は、8日の会見で、「地殻変動はおさまる傾向になく、続いている。この状況はもう少し続く可能性があると考えている」などと説明しました。 一方、火山性地震の回数などに顕著な変化はみられていないということです。 こうした状況などから気象庁は、仮に噴火が発生した場合には、地下水がマグマなどにより温められて、爆発的に噴出する「水蒸気噴火」になるとみています。 ただ「水蒸気噴火」であれば大きな噴石が飛散する範囲は、火口から2キロの範囲内におさまるとして、「これ以上の警戒範囲の拡大は考えていない」と述べました。 さらに「規制されている範囲内に立ち入らなければ、安全に観光を楽しむことができる」とし、冷静に行動してほしいと呼びかけています。