北海道内最古のはしご車、留萌で現役 配備32年、国内同型で唯一
【留萌】留萌消防署(市高砂町)のはしご車が、1991年11月の配備から32年余りが過ぎた。今年2月末には、釧路市阿寒町阿寒湖温泉にあった同型車が老朽化で「引退」し、国内で残るのは留萌の1台だけに。耐用年数を大きく上回り、メンテナンスに苦労が絶えないが、希少な存在となった名物はしご車の雄姿を一目見ようと、市内外からファンが訪れている。 【動画】名物はしご車 留萌見守り32年 はしご車は、全長約10メートルで総重量が約19トン。はしごは約11階分に相当する35メートルまで伸ばすことができ、伸縮時には「ブオーン」という豪快な排気音が鳴り響く。車両の運転席が前輪よりも大きく前にせり出しており、車庫から姿を現せば通行人の目を引く外見だ。 製造元のモリタ(兵庫県三田市)によると、同型車は90年前後で80台ほどが製造され、大阪や愛知などの各地で活躍した。耐用年数は17年。道内では釧路市西消防署阿寒湖温泉支署にも配備されていたが、2月末で退役し新型車に置き換わった。 同社の調べによると、現存する道内のはしご車の中では、他社製のものも含めて留萌の車両が最も古いという。 留萌のはしご車は、留萌市と小平町をカバー。都市部と異なり高層の建物や火災の発生件数は少ない2市町だが、90年代前半の火災事案と2014年の救助事案で出動した実績を持つ。 同署はこれまで、春と秋の火災予防訓練や市民向けの見学会などで、はしご車を登場させてきた。夏場の休日には東京や神奈川などから訪れるファンもおり、都度、車庫から出して写真撮影に応じているという。