「わたしは私でいたい」10回“ペーパー離婚”している夫婦も…選択的夫婦別姓 “名前”を主体的に選べる未来を求めて
恩地いづみさん 「当時、医師免許は戸籍名でないとダメっていうようなことだったので、職場では夫の姓で働くようになって、だけどやっぱりなんかいやだなって。わたしは私でいたいから恩地で生きていきたいから。恩地を使うためにはペーパー離婚しかない状態だった」 結婚から7年後に法的には夫と離婚。以後34年間「事実婚」の状態が続いています。 ■かつて広島でも国に賠償を求めて提訴 その思いとは? 恩地さん自身は、2018年に夫婦同姓を定めた民法の規定は憲法違反だとして、国に損害賠償を求め、広島地裁に提訴しました。しかし、2021年当時、最高裁は夫婦別姓を認めない民法の規定を「合憲」と判断していて、訴えは退けられたのです。 恩地いづみさん 「なんで、もう本当になんでしかないですね」 長年、事実婚を続けながらも、法律婚ではないことに将来への不安を感じているといいます。 恩地いづみさん 「例えばどっちかが亡くなった時、相続人にはならないとか、あと銀行口座の解約も相続人でないと解約できないとか、連れ合いが口座の解約一つできないことになったりしかねない」 事実婚のパートナーには原則、遺産を相続する権利がありません。 この『選択的夫婦別姓制度』には「家族の一体感が失われる」「子どもがかわいそう」といった懸念の声があるといいます。 恩地さんの3人の子どもは長男と長女が「夫の姓」を、次女は「恩地」を名乗っています。長女の希さんにとって、兄妹の姓が異なっていることは幼い頃からの自然な状態だったそうです。 恩地さんの娘・希さん 「周りの友達に『なんで名字違うの?』みたいに聞かれたことがあったんですけど、『うちの親は名前が違うって、子どもたちも名前が違うんだよ』っていう話を簡単に友だちに伝えて…」 自身も結婚し、夫とは「事実婚」を選んだといいます。 恩地さんの娘・希さん 「自身の経験として、困ったことがなかったのは経験としてはっきりしているので、逆に子どもがかわいそうって言われる親がかわいそうだなっていうか…法律婚をしながら夫婦別姓っていうのが認められる日が近いうちに来るんじゃないかなという期待をもっている」
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