eスポーツで青森県を変えたい 10~40代で結成「ブルーフレア」、各地で大会運営
コンピューターゲームを競技として捉える「eスポーツ」で青森県を変えていきたい-。熱い思いを胸に秘め、奮闘する若者たちがいる。青森市を拠点に県内各地で活動する「Blue Flare(ブルーフレア)」。10~40代の男女30人がメンバーだ。2022年11月の結成以来、自治体や福祉団体などの委託を受けゲームイベントを運営するなど着実に実績を積み重ねている。 「いい勝負です!」「あっと、ここで脱落だ!」。今月8日、日曜日の昼下がり。青森市のカクヒログループスーパーアリーナ(市総合体育館)の多目的室には、闘志をかき立てる軽快なゲーム音楽が流れていた。 実況の声が響く中、モニターのゲーム画面を4人の若者たちが凝視する。手元のコントローラーを操る手に力がみなぎる。ゲームは「スーパーボンバーマンR2」。爆風に吹き飛ばされることなく最後まで生き残った勝者はガッツポーズで喜びを表した。 ゲームイベント「B・Fゲーミングアリーナ」には学生や家族連れら約300人が集まった。ブルーフレアのこれまでの活動の集大成だ。「大成功だ」。五つのゲーム体験とトーナメント大会の盛り上がりに副代表の佐藤友也さん(27)=青森市=は手応えを感じ取った。 世界中で盛り上がりを見せるeスポーツ。しかし実際に大会を運営するには青森のような地方では問題がある。運営ノウハウを持つ人材が少ないからだ。イベントを開きボランティアが集まったとしても、終わったら解散-の繰り返し。蓄積されていくものがない。 「恒常的に活動できるeスポーツのイベント運営組織をつくれないか」。青森市の会社員・大地さん(35)の呼びかけに、県内各地に住む若者たちが次々と呼応した。「何かしら挑戦したい」「青森に新しい形のにぎわいをつくりたい」「仕事のノウハウをイベントの場で発揮したい」…。さまざまな職業の人たちが、さまざまな動機で集まった。組織を長続きさせるため、ある程度の収入を得る「ビジネス化」の理念も掲げている。 10月26、27の両日、七戸町のふれあいセンター。町民文化祭のeスポーツブースには若者を中心に約400人が詰めかけた。人気ゲーム「太鼓の達人」の大会は予想以上の盛り上がり。高齢者も含め100人近くの観客が選手のプレイを見守った。 「ゲームは教育や高齢者・障害者福祉、経済活性化など、さまざまな分野と掛け合わせることができる。懐が深い存在です」。佐藤さんは今後の活動に大きな可能性を感じている。「ゲームを通じて、若者がずっと住んでいたいと思える地域を自分たちでつくり上げていきたい」 メンバー加入やイベント開催などの問い合わせはブルーフレアのホームページから受け付けている。