「松島新地」150人売春で経営者ら逮捕翌日も「明かりは煌々」…「厨房は見ますが」大阪市の管理体制とは
「松島新地の様子を写真に撮るのは大変ですよ。カメラを向けただけで、どこからか人が出て来て『写真を撮るな』と注意を受けます。それほど“ディープな街”と言えるでしょう」 そう話すのは大阪のあるカメラマンだ。 11月5日、大阪市の歓楽街「松島新地」の料亭の経営者が、従業員の女性に売春を仲介したとして買収防止法違反容疑(場所提供)で逮捕された。逮捕されたのは奥田千城(たてき)容疑者(31)、母の信子容疑者(52)、祖母の多佳子容疑者(77)ら5人だ。 奥田容疑者らは松島新地で料亭など5店舗を経営していたという。この5店舗で延べ150人以上の女性が働いていた。すでに10月に奥田容疑者ら5人は売春防止法違反容疑(周旋)で逮捕されており、今回は再逮捕だ。 1869年(明治2年)に誕生したという「松島遊郭」。その名残で、今でも85店舗の料亭が営業している。 「かつて松島遊郭には4000人ほどの女性が働いていたといい、今でも2000人近い女性が働いているとされます。1958年に売春防止法が施行され、売春を目的とした営業は禁止されて以降は料亭として店を続けています」(社会部記者) 今回は大阪府警が摘発に至り、同容疑者らの店だけで150人ほどが売春していたという。その背景には、昨今問題になっているホストクラブがあった。 「奥田容疑者は、ホストクラブの経営にも関わっていました。そのホストクラブで、売掛金(ツケ)が溜まってしまった女性客を、返済させるために自分の料亭で働かせていたのです。昨年12月に『みなみのホストクラブで支払いできなくなり、松島新地で働かされている女性がいる』との情報提供があり、警察が捜査を続けていたのです。今回は、なかば強制的に松島新地で働かせていたことになり、警察も悪質だと判断したのでしょう」(同前) だが、この摘発があっても、松島新地の様子はほとんど変わっていないように見える。奥田容疑者らが再逮捕された5日以降も、夜の松島新地ではあちこちに煌々とあかりがついている。近所の住人はこう話す。 「日本人より、中国人が集団で訪れますね。店をのぞき込んで女性を見て品定めをしています。閉まっている店もちらほらありますが、摘発翌日の6日も営業を続けている店は多かったです。 ここは摘発があっても、街が廃れることはないでしょうね。今回逮捕された容疑者らが経営していた店の一つを見てみましたが、入り口ドアが少し空いていて中は明るかった。女性の姿は見えませんでしたが、まだ営業を続けているのでしょうか」 大阪市の健康局によると「食品衛生法による飲食店の営業許可は、基準を満たしていれば出さなければいけません。厨房などの施設は見ますが、客室などは確認しません」とのこと。 松島新地は、その姿を変えることはしばらくなさそうだ。