新境地の「TipTap」との出会いで完璧主義の重圧からも解放されたという清水＝東京・台場（撮影・加藤圭祐）

歌手、清水美依紗（みいしゃ、24）がフジテレビ系連続ドラマ「全領域異常解決室」（水曜後10・0）のオープニング曲「TipTap」（ティップタップ）で注目を集めている。爽やかな歌声が魅力だが、今回はジャズナンバーに初挑戦。躍動感あふれる曲調と皮肉交じりの歌詞で、ミュージックビデオは再生300万回を突破する人気となっている。 幅広い音域と豊かな表現力が魅力の清水。2021年にディズニープリンセスの世界的プロジェクト「アルティメット・プリンセス・セレブレーション」の日本版テーマ曲「Starting　Now～新しい私へ」を担当して話題となったが、本紙の取材に「今回の曲は自分にとっては新境地です」と強調した。　同曲を含めて「今までは前向きな気持ちにさせる曲が多かったですが、今回の歌詞は社会や自分自身に対する皮肉や人間の二面性などブラックな面もある」と説明。歌詞では「奇想天外」に共感し「私自身、不安を抱えながら生きているし、何か起きたら仕方ないと思っているからこそ、奇想天外は私にも当てはまる」と思いを寄せた。 高校時代はテレビ東京系「THEカラオケ★バトル」で優勝。表現力を磨くため、高卒後は米ニューヨークに留学し、ミュージカルを学んだ。 常に高みを目指す音楽人生で「パフォーマンスでは完璧主義的な思いが強く、うまくいかないと落ち込みますし、練習をし過ぎてのどが不調になったり」と告白。感情を素直に表現する「TipTap」と出会ってからは「自分の首をしめても仕方ないから、気楽に、歌詞の通りに生きましょうって。自分を解放できました」と穏やかな笑顔で明かした。 尊敬する歌手は世界的米歌手、アリアナ・グランデ（31）。高校時代に客席からみたアリアナの千葉・幕張メッセ公演が忘れられず「幕張メッセで彼女と同じ風景を見てみたいです」と目標を掲げた。（山内倫貴） ■清水美依紗（しみず・みいしゃ） 2000（平成12）年3月10日生まれ、24歳。三重・鈴鹿市出身。22年に「High　Five」でメジャーデビュー。今年9月には東阪ツアーを開催。ミュージカルでも活躍中で、12月に東京・帝国劇場で開幕する舞台「レ・ミゼラブル」にエポニーヌ役で出演。趣味はカフェ巡り。好物は菓子「じゃがりこ」。