学生を"社会人"として育てる! 日本プロ&日本学生王者を生んだ大阪学院大ゴルフ部【大学ゴルフ部の教え③林栄作監督】
最近強いゴルフ部として挙げられる早稲田大学、日本体育大学、大阪学院大学。この3校には、新進気鋭の監督がいて、3人とも50代前半、母校のゴルフ部で監督を務める。それぞれに経歴は違えど、ゴルファーを育てる真剣な気持ちは同じ。3人に、部の教えや育成への考え方を聞いた。全3回にわけてお届けする、3人目は大阪学院大学ゴルフ部の林栄作監督。
「厳し過ぎず、緩過ぎず。常に学生の声を聞く」(林栄作)
木下稜介、大堀裕次郎、濱田茉優、平田憲聖……最近活躍するプロには大阪学院大出身がズラリ。 「僕の頃はそんなに強くなくて、団体戦3位でパーティをしてくれるくらい。雰囲気も全然違っていて、コーチに会うこともなく自分たちで宿の手配もしていた。井上先生が変えられて、今は監督もかなり関わっていくんですよね」 昨秋から監督を務めるのは今年50歳になる林栄作。今の大阪学院大ゴルフ部を作り上げた前任、井上尚彦(現日本高等学校・中学校ゴルフ連盟理事長)の後を継いだ。
林監督はツアープロ出身
林は卒業後、研修生を経てプロテストに合格、ツアーに出ていた。 「7年間です。でも元から体が強くなくて大病をした。2年闘病して、ようやく試合出たときに『もう無理だ』と心が折れてしまって。自分でショップやレンタル業、キャディ派遣などゴルフ関係の仕事をしてきた。僕は人を教えるのもしゃべりも上手くないんです」 そう言いつつ、女子選手を2人、プロとして育てた。 「でも、僕のアツさと本人の気持ちにギャップがあり、けっこうキツく言ってしまった。自分が現役時代こうしておけばよかったということを押し付けてしまいました」。 その経験を、反省と糧にしている。 「今は押し付けないよう、学生が理解できるよう話をするようにしています。成績が出ていないならどんな練習を増やすべきか、ゴルフとの向き合い方などです」
毎年1回、必ず個人面談をする。 「月1度全体ミーティングをしますが、一方的に話すことが多くなるので本人の言葉を聞きたいんです。人それぞれ。全員がプロを目指しているわけではないですから。話すのが苦手な子もいます。でも社会に出れば人と話すことも大切。人前で話すことも増える。ミーティングで選抜して人前で話しをしてもらうようにもしています」 ゴルフ部に引き継がれていることは、 「学生ですが社会人として見ていること。個人の責任も重視しますだが。"ミスできる社会人"いう感じですね」