<5人死亡事故から1年>トラックが高速バスに衝突 背景に“体調不良” 「亡くなった人が帰ってくるわけではない。本当に残念」 深刻な人手不足で物流危機 “2024年問題”も追い打ち 北海道八雲町
対向車線を走っていたトラックがスリップして衝突
これは男性が走行している時の映像である。 対向車線を走っていたトラックがスリップして衝突し、男性は全治5か月の重傷を負った。 「(トラックが)真横になってきたから、もうがっちり力は入った」(男性ドライバー)
運送業界の現状と課題
男性は食品関係の輸送を担っている。 前日の午後7時に函館を出発し、高速道路を使う片道約400キロのルートで午前2時に旭川に到着する。 仮眠をとり朝に配達を終えると、今度は旭川から函館に戻る。 このように私たちの暮らしを支える運送業界だが、いま深刻な人手不足に悩まされている。
トラックドライバーの減少と「2024年問題」
ピーク時の1995年には約98万人いたトラックドライバーは年々減り続け、2025年には60万人を切るという予測もある。 「まず若い人来ないからね。荷物を運べなくなる。運んでいるのは食べ物だから、食べ物運べなくなると大変だ」(男性ドライバー) さらに労働時間の規制で輸送量や収入の減少などが懸念される、いわゆる「2024年問題」が追い打ちをかけている。
規制とその影響
トラック運転手の時間外労働はこれまで規制がなかったが、4月からは年間960時間が上限となった。 規制で男性の手取りは前の年の同じ月と比べて約1万円減った。 「電気代だね。電気はなるべく遅くつけて節約している。物が値上がりしているけど給与は上がっていない」(男性ドライバー) 慢性的な人手不足に加え、規制ものしかかる物流業界。 この状況を専門家はどう見ているのか。 「(某コンビニは)弁当を1日4回運んでいたが、いまは3回にしている。配送頻度を落とす動きは相当出てきた。ある意味では欠品は起きやすい」(流通経済大学矢野裕児教授)
高齢化と体調管理の重要性
輸送量や収入の減少がある一方で、事故を防ぐ上では今回の規制は重要だと話す。 「危惧されているのは、ドライバーが高齢化していること。60代以上のドライバーの割合が非常に高まっている。体調不良が発生しやすくなり、事故が発生する可能性は高い。体調管理は非常に重要だ」(流通経済大学矢野裕児教授) 悲惨な事故から1年。 そして「2024年問題」。 ドライバーの安全と物流を両立できるのか、正念場を迎えている。
北海道文化放送
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