<なにわ点描>密かな人気の夕陽スポット 阿倍野歩道橋
阿倍野歩道橋から眺める夕陽。歩道橋や周囲の風景は変わっても、この夕陽の眺めは変わらない THE PAGE大阪
29日の近畿地方は、各地で好天に恵まれ青空が広がる気持ちのいい1日となった。気温の方も上昇し、大阪管区気象台によると、大阪市内では最高気温23.4度を観測。夏日には届かなかったが、湿度が常に50%以上あったため、汗をぬぐいながら歩く人の姿も多かった。夕方はすっかり日も長くなり、午後6時をすぎても空があかるいが、大阪市阿倍野区阿倍野筋、天王寺区との境界にある「阿倍野歩道橋」では、沈む夕陽を撮影する人の姿が多く見られるなど、ひそかな夕陽スポットとして人気を呼んでいる。
誰かがカメラを構えると通行人がカメラマンに
同日午後6時すぎには、真っ赤な夕陽が南海新今宮駅方面に向けて沈む光景が見られる。それと同時に誰かがカメラをかまえると、次から次へと通行人がカメラマンに変わる。 携帯電話のカメラで撮影していた60代の男性は「みんな撮ってるからなにかと思ったけど、ちょうど夕陽に向かって走る道路がここから見たら下り坂やから、よけいに見方が変わるんかな? 両脇のアポロビルとかの窓に反射するのもええ感じやね」と言いながら、器用にシャッターを切っていた。
周囲は変わっても沈む夕陽の光景は変わらず?
一眼レフカメラを持っていた30代の女性は「阪堺電車に乗って自宅(堺市)に帰ろうとおもったけど、きょうは夕陽がきれいなんで撮ってました。別になにかがあるってわけではないけど、昔からこの眺めはスキですね」と語る。 同歩道橋の前には、あべのハルカスや天王寺ミオ、あべのキューズモールといった大型商業施設が建ち並ぶなどビルが多い。そして、この何十年かで周囲の風景、そして歩道橋も変わった。だが、この夕陽が沈む光景は、きっと昔から変わらないのではないだろうか。「昭和の日」にそんなことを思いながらシャッターを切る。