樹齢250年級「天然秋田杉」 久々に出品も落札わずか1本
秋田県内の国有林から久々に出品された「天然秋田杉」の入札が20日、秋田原木市場(大館市)であった。樹齢200~250年級の原木丸太が売りに出されたが、出品された24本中、製材業者に落札されたのはわずか1本。他は入札が成立しない「不落」となった。 【写真】秋田杉を使った美しい「大館曲げわっぱ」 木材を出品した東北森林管理局(秋田市)の担当者は予想外の展開に「残念な結果」とした上で、再度売りに出すことを検討する。 天然秋田杉は、木目が細かく強度に優れ、古くから住宅用の建築材として利用されている。美しい柾目(まさめ)を利用した高級内装材、天井板に使われる他、「大館曲げわっぱ」など工芸品にも用いられている。 しかし天然材は資源が次第に減少し、2012年度をもって計画的な生産を終了している。 東北森林管理局資源活用課によると、この日、出品されたのは、北秋田市内の国有林に道を整備する際、支障となった木を伐採したもの。秋田県内で天然秋田杉が市場に出品されるのは、21年以来という。 秋田原木市場によると、入札に参加したのは秋田県内の製材業者3社。落札されたのは直径112センチ、長さ1・4メートルの天然秋田杉で、落札額は1万8000円。他の23本は予定価格に達しなかった。 大館市の木材業者は「天然秋田杉は高級。県内外にもっと広くPRすれば、売れるはず」と話した。【田村彦志】