「史上最高の投手になれる」ロッテ助っ人カイケルの“貴重な証言” 佐々木朗希の投球術を「70」と評した理由は?
「総合的に見て、ササキは信じられないほど素晴らしいよ。できないことは何もない」 今オフにポスティングでのメジャー移籍が正式に決まった佐々木朗希を褒めちぎるのは、ロッテの助っ人左腕ダラス・カイケルだ。ニューヨークの日刊紙『New York Post』のインタビューで賛辞を列挙した。 【動画】日本人最速の165キロを記録!凄みを増した佐々木朗希の広島戦のピッチングの映像 カイケルは今や米メディアにおいて興味深い存在となっている。11月9日に千葉ロッテがポスティングによるメジャー挑戦を承認。かねてから去就が注目された佐々木の名は、瞬く間に米球界で垂涎の的となった。ゆえに今年7月から日本球界で佐々木の凄みを間近に戴冠した36歳は「貴重な証言者」なのである。 かく言うカイケルはメジャーでの実績は豊富だ。通算103勝を記録し、シーズン20勝を挙げ、232イニングを投げ抜いた2015年にはサイ・ヤング賞も獲得。こと米球界においては佐々木以上に知られた存在ではある。 そんな日米両球界を知る助っ人は、『New York Post』の電話取材で佐々木を細かく分析。「ストレートが序盤に決まっていなかった場面を何度か見た。だが、彼は、そこでスライダーやスプリットでもストライクを取ることができる」と独自のスカウティングを展開。“令和の怪物”の投球術を「70」という数値で表した。 さらに佐々木の伝家の宝刀であるフォーク(カイケルは『スプリット』と表現)を「65」から「70」としたカイケルは、23年のWBC時にダルビッシュ有から指南を受けたスライダーも「70」とキッパリ。そのうえで「スライダーは80にするチャンスがある。それこそが彼がどれだけ優れているかということだ」と分析した。 普段は他選手に対する評価を「厳しくする」というカイケルだが、「ササキはまだ23歳だから寛大にした。自分は24歳でデビューし、しっかりと成長するまでさらに2シーズンかかった」と強調。その上で「僕は彼が素晴らしい打者を打ち取っているのを目にした。MLBで活躍できるだろうと本当に思っている」と断言した。 「ササキには知性があり、どんな時も情報を欲し、クラブハウスでも役立つ存在だった。彼は好奇心が強い若者だが、日本文化の中では、とても寡黙な部類だ。しかし、何よりも勝つことを望み、野球を愛している。だからそれを無視することはできない。彼は最高の投手になりたいと思っている。そして史上最高の投手の1人になれると彼が思っていると、私は本当に信じている」 佐々木はロッテでの5年間で規定投球回を超えたシーズンはゼロ。先発ローテーションを中5日で回すことになるメジャーでフル稼働できるかに疑問の声があるのも事実ではある。 しかし、その懸念点を差し引いても余りある特大のポテンシャルは秘めている。その異能さをカイケルは高く評価し、佐々木の成功を断言しているのだろう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]