公認カップル第1号が誕生 パートナーシップ宣誓制度開始【山口】
LGBTなど性的少数者のカップルを公認する山口市パートナーシップ宣誓制度の利用が1日、始まり、公認カップル第1号が誕生した。 2人は市出身と島根県出身で、市内で同居する30歳代。戸籍上は共に女性で、一方が性自認を男性としている。SNSで知り合い、2022年に交際を開始。ずっと一緒にいようとプロポーズをし、昨年6月に結婚式を挙げた。 市役所で申請書を書き込み提出。宣誓書受領証交付式では市人権推進課の徳田禎之課長から受領証と宣誓書受領カードを受け取った。 2人は「心からうれしい。結婚式以上の喜びだが、これが第一歩」と話し「制度を通じて幸せなカップルが増えてほしい」と期待を寄せた。 制度施行前は県外や他市への移住も考えたという。「性的少数者であるだけでどうして生まれ育った市を離れなくてはいけないのかと思っていた」と述べた。現状を変えようと昨年、中心商店街などで行われた性的少数者の認知度向上を図る「山口レインボープライド」に参加。近年、同様の制度を導入する自治体が増えたことから、世の中の理解が進んだことは認めつつ、同性婚の法制化を求めた。 同制度は性的少数者の生きづらさの軽減や差別の解消が目的。法的拘束力は無く、法律上の権利や義務が発生する婚姻制度とは異なる。制度を利用したカップルは公認による安心感に加え、行政サービスとして市営住宅の入居も可能となる。趣旨に賛同した病院や民間企業で法律婚の夫婦にだけ認められた手続きやサービスの一部が受けられるよう準備が進められている。 この日はもう一組の申請があった。同制度は県内では宇部市で施行され、同日、阿武町でも始まった。9月には県も導入する見込み。