弁財天山車、一人で巡行 射水の田代さん「新湊に活気を」 リヤカー改造、曳山の唄歌い
射水市中新湊の自営業田代祥二さん(72)が同市片口にある弁財天の木像が載った山車(だし)の巡行を始めた。能登半島地震で被災した新湊地区を盛り上げたいとの願いからで、リヤカーを改造し、一人で押せるように仕上げた。10月の新湊曳山まつりで披露される唄「宮づくし」を歌いながら、地域を巡行している。 田代さんは、内川沿いの活性化を目的としたジャズライブや輪踊りのイベントを開催してきた。現在は新湊大橋近くの私有地で住民や観光客の憩いの場を目指した「ステーション越の海口」を整備している。能登半島地震では新湊地区も被災し、「地域の活気が失われてきている」と感じたことから、住民や漁師を見守る新湊弁財天を題材にした山車づくりに取り組むことにした。 完成した山車は高さ約170センチで、リヤカーの上に六角形の家具を配して台座とした。台座の上には彫刻家の齋藤尤鶴(ゆうかく)さん(砺波市)が制作した木像の新湊弁財天を据えた。五穀豊穣を願う大黒天やえびすも配置し、菅笠もあしらった。 27日は射水市の放生津八幡宮で山車巡行の安全祈願祭が営まれた。住民約10人が参加し、田代さんは声援を受けながら出発した。今後、新湊地区にある地蔵を訪ね、射水市外にも活動範囲を広げる。 田代さんは「山車や宮づくしを多くの人に楽しんでほしい」と語った。