農業と福祉つなぐ「ノウフクの日」 都内スーパーで特設販売
農業と福祉の連携を進める「ノウフクの日」の29日、スーパーのヤマイチ(東京都江戸川区)は、都内と千葉県の4店舗で「ノウフクJAS生鮮食品コーナー」を設置して同JAS認定を受けた野菜や果実を販売した。農福連携の周知と消費者への新たな価値提供を目指す。 ノウフクJASは、障害者が生産に携わった生鮮農産物や加工食品の規格。同社は15日から、金曜日に月2回のペースで同JASのコーナー設置を始めた。同JASの生鮮食品のコーナーをつくるのは、全国のスーパーで初めて。長野県産リンゴ、群馬県産ブロッコリー、高知県産ナスなど5品前後を扱う。 農福連携は、障害者や福祉施設にとって、就労支援となり所得向上が見込める一方、農業側は、労働力の確保や荒廃農地の解消などが期待できる。 有機栽培や産地直送の青果を扱う仲卸のBSS(江戸川区)の提案で実現した。ヤマイチでは、従来からある有機JASコーナーに並ぶ形でノウフクJASのコーナーを設置。有機栽培などエシカル(倫理的)消費を志向する購買層に、今までにない福祉という価値を提供して他社との差別化を図る。 ヤマイチの担当者は「全国で先駆けてノウフクJASの商品を展開し、農業の人手不足や障害者の所得向上などさまざまな社会問題の解決に貢献したい」と話す。
日本農業新聞