「老け見え」の原因にもなるゴースト血管って何?医師が注目するコエンザイムQ10の効果と摂り方を解説
「ゴースト血管」対策のカギは、適度な歩行と還元型コエンザイムQ10
「私が一般の方にオススメするのは、毎日できれば8000歩、最低でも4000歩程度は歩くことです。歩けば、第二の心臓とも言われるふくらはぎの筋肉のポンプ作用で全身の毛細血管にも血液が行き渡り、ゴースト血管の進行抑制と予防が期待できます」 歩くのがどうしても億劫という方は、例えば電車などの待ち時間で、かかとを上げ下げしてふくらはぎを刺激するだけでもある程度は効果が期待できるそうだ。 栄養も重要。伊賀瀬さんが特に注目するのは、還元型コエンザイムQ10という成分だ。 「コエンザイムQ10という成分が大事です。これは、全身の細胞のエネルギー源となる物質です。もともと、心機能の低下したうっ血性心不全の補助治療薬として少量の投与が認可されているため私も処方していた成分で、いわば心臓にとってのビタミンのようなものです。大事な成分ですが基礎疾患のない方には処方できませんし、食事から十分な量を摂るのは難しいため、私としては予防医学的な観点から摂取するならばサプリメントも併用することをオススメします」 コエンザイムQ10は、いわし・大豆・アーモンド・ほうれん草などに含まれている。しかし、効果が期待できる1日の目安量100mgを摂取するには、いわしだと20尾分も必要だとか。店頭で購入する場合は、「還元型コエンザイムQ10」と明記されているものが効果的だ。 「40代を過ぎると、心臓だけでなく全身のコエンザイムQ10が減り始めると考えられます。適度に補うことで、心臓だけでなく全身の細胞の活性化も期待できるでしょう」
伊賀瀬道也 さん いがせ・みちや 愛媛大学大学院 抗加齢医学(新田ゼラチン)講座 教授、愛媛大学附属病院 抗加齢予防医療センター センター長 1964年愛媛県生まれ。1991年、愛媛大学医学部卒業後に第二内科(循環器)に入局。2006年に国立大学では珍しかったアンチエイジングを研究する抗加齢センター(現・抗加齢・予防医療センター)を開設。抗加齢医学研究のトップランナーとして活躍の幅を広げている。
文・クロワッサンオンライン編集部
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