宇宙に核廃棄物を投棄…日本財界最後のフィクサー・葛西敬之が夢想した宇宙開発がヤバすぎる
安倍元首相が国士と賞賛した葛西敬之が死の床についた。政界と密接に関わり、国鉄の民営化や晩年ではリニア事業の推進に心血を注ぎ、日本のインフラに貢献してきた。また、安倍を初めとする政治家たちと親交を深め、10年以上も中心となって日本を「事実上」動かしてきた。 【漫画】「しすぎたらバカになるぞ」…性的虐待を受けた女性の「すべてが壊れた日」 本連載では、類まれなる愛国者であった葛西敬之の生涯を振り返り、日本を裏で操ってきたフィクサーの知られざる素顔を『国商』(森功著)から一部抜粋して紹介する。 『国商』連載第4回 『「授業に専念させてやれ」日本財界の「黒幕」が鋭く指摘…安倍政権が教育改革を推し進めた本当のワケ 』より続く
宇宙開発の肝は立ち合い
葛西は民主党政権時代にも政府委員として、政策にかかわった。野田佳彦政権末期の12年7月には、内閣府に設置された「宇宙政策委員会」の委員に選ばれている。内閣府設置法38条に基づく宇宙政策委員会は「内閣総理大臣の諮問に応じて次に掲げる重要事項を調査審議する」としている。日本の宇宙開発、研究の司令塔と位置付けられ、7人の委員の互選により、葛西が委員長に選ばれた。 「立ち合いで負けると押し込まれ相撲は負けてしまう。立ち上がりも大事で、押さえなければいけないところは押さえていかなければいけない」 葛西は初会合でそう熱く語った。宇宙開発は近年、葛西が取り組んできた大きなテーマの一つであった。欧米や中国、ロシアが宇宙の研究開発にしのぎを削っているのは周知のとおりだが、なぜ葛西はそこにこだわるのか。2012年8月15日付で宇宙政策委員会が発表した「平成25(2013)年度宇宙開発利用に関する経費の見積りの方針」に次のように記している。 〈我が国は、宇宙基本法の理念に則り、民生・安全保障両分野における宇宙空間の利用の推進と宇宙空間の利用を自律的に行う能力(技術及び産業基盤の維持及び向上)の確保を連携して行うことを基本に、国家戦略としての宇宙政策に積極的に取り組んで行く必要がある〉