完走後に地酒、染みる! 天童-山形23キロ、「山形酒蔵マラソン」80人楽しむ
酒蔵や酒販店を巡り、完走後に味わう「山形酒蔵マラソン」が17日、天童市中央公園から山形市の県酒造会館までの23キロのコースで行われ、酒好きの健脚家が、マラソンの爽快感と県産日本酒の味を楽しんだ。仏ボルドー地方のワイナリーを巡るマラソン大会をヒントに、山形市の旅行会社がテスト大会として初めて企画。課題を踏まえ、来年以降の本格開催を目指す。 主催したのは、酒蔵ツーリズムの企画販売を手がける「酒物語」社長の小嶋祐樹さん(37)。仏ボルドー地方での「メドックマラソン」は、大会に合わせてワインに触れる多彩なイベントが展開され、経済効果も大きいイベントになっている。 同社は日本酒を目玉に、国内外から人を呼び込み、県産酒の魅力を発信しようと、「山形のメドックマラソン」を目指して企画した。国税庁の補助金を活用し、県酒造組合(会長・佐藤一良鯉川酒造社長)の後援を得た。 県内外の約80人が参加。天童市の出羽桜酒造、水戸部酒造と、山形市の寿虎屋酒造、秀鳳酒造場、酒販店La Jomon(ら・じょうもん)の5カ所をチェックポイントとしたコースを走った。メドックマラソンは、ワインを味わいながら走るが、参加者の健康面を考慮し、完走後に日本酒を振る舞うことにした。各チェックポイントでの給水では、仕込み水や甘酒、ジュースが提供された。
思い思いのペースで駆け抜け、ゴール後は同組合が用意した21銘柄の地酒を味わった。ゴールテープを切った直後、汗もぬぐわず酒待ちの列に加わる猛者もいた。トップだった山形市内から参加した公務員大内皓介さん(36)は「走った後の酒は体に染みる。日本酒とマラソンが好きな自分には最高のイベントだ」と話した。 佐藤会長は「組合だけでは考えつかないようなイベントだ」と話した。自ら完走した小嶋さんは「参加者に良い大会だと言ってもらえた」と手応えを感じた様子。来年以降は「本大会として継続し、5年後に千人規模での開催を目指したい」と話した。