女性の起業を市が応援 三重・松阪 先輩交えネットワークづくり
カリヨンで第1回交流会
三重県松阪市主催の第1回女性起業家交流会が27日午前10時から、同市日野町のカリヨンプラザ2階多目的ホールで開かれ、女性起業家や起業を目指す人ら13人が参加した。4、5人単位でテーブルを囲み、ロゼット(円形の飾り)作りのワークショップを楽しみながら、名刺交換したりSNSアカウントを交換したりして、2時間の間にすっかり打ち解けていた。 ファシリテーターにソーシャルビジネス企業「PINE・WORKS(パインワークス)」の酒井由美代表(54)、ワークショップの講師に、ロゼット作りとカラーセラピーをiroai(いろあい)の屋号で営む中江みおさん(26)を迎えて開催。 開会に当たり市商工政策課の福山桂参事兼課長兼産業振興センター所長(54)が「なぜ(対象が)女性かという声もあると思うが、やはり女性の方はいろんなライフステージ、(仕事をするに当たっての)障害がある中で、起業は就労の仕方として有効と考え、この事業を進めていきたい」とあいさつ。 初対面の人同士が打ち解けるための「アイスブレーク」(ゲーム)の後、自身も起業家の仲間入りをして間もない中江さんが自己紹介。病弱だった幼少期にさかのぼって振り返りつつ「自分の心や体を大切に、自然体で過ごそう。やりたいと思うことがあったらやろう」と思い至ったと。 酒井さんが「事業をやっていて苦労していることは?」「よかったなということは?」と尋ねていき、最後に中江さんは「自分のペースで何かやってみようというきっかけになればうれしいです」と話した。 その後、中江さんの指導で一人一つずつ、思い思いの素材を選んでロゼットを制作し、完成した作品を乾燥させている間、各テーブルでそれぞれの事業について紹介し合い、さらに席を立って交流。また、希望者は前に出て自己PRをしていた。 13人のうち8人は既に起業し、5人は起業に向けて準備中。同市大黒田町の野々山千晶さん(34)はレンタルスペースを借りてアルコールインクアートや天気管(ストームグラス)作りのワークショップをしており「これは私の子供が作った(アルコールインクアートの)うちわ。同じ素材を選んでも同じ物ができない楽しさがあります」とPR。 同市嬉野中川町の西井有加里さん(44)は、県立松阪商業高校ギター部の元部員でつくる「ブリランテ松阪ミドルギターアンサンブル」のメンバーで「コンサートのちらしを作っているうちにデザインに興味を持ち、デザインの学校を卒業したばかり。今は無料でさせてもらうので声を掛けてください」と話していた。 市では今後、8月下旬に第2回交流会、来年2月に4日間の集中セミナー、同年3月中旬に第3回交流会を計画している。