ヘビ、トカゲ、ハムスター…警察も困る落とし物、エキゾチックアニマル 広島では2023年度46匹に増加
広島県内で2023年度、警察に「落とし物」として届けられたペットの定番である犬、猫、鳥、カメ、ウサギを除く動物は、46匹に上った。本年度に入っても後を絶たず、ハムスターやトカゲなど「エキゾチックアニマル」と呼ばれるものも目立つ。専門家は「コロナ禍に衝動買いし、飼育しきれず捨ててしまう人もいるのではないか」とみる。飼い主が見つからないことも多く、警察は対応に苦慮している。 【画像】かわいいエキゾチックアニマル 広島県警によると、定番を除いた動物の「落とし物」は21年度は15匹、22年度28匹だった。本年度も相次ぎ、4~6月には廿日市市内でコーンスネーク、フトアゴヒゲトカゲ、ボールパイソンが発見され、廿日市署に届けられた。 同署によると、トカゲはすぐに飼い主が名乗り出て返還された。しかし、民家の庭で見つかった体長約1メートルのコーンスネークと、工場内で捕獲されたボールパイソンは飼い主が現れず、5~9日間を署内で過ごした。最終的に爬虫(はちゅう)類も扱うペットショップに引き取りを依頼したという。 捕獲されるなどして警察に持ち込まれた動物は、遺失物法で拾得物として扱われる。過去には水槽に入ったウーパールーパーが交番に届けられたこともあったという。 各警察署は、遺失届が出されていないかなど飼い主を探すが、署内には飼育設備がなく長期間の世話はできない。専門施設などへの引き渡しの仕組みも整っておらず、県警会計課は「署員が善意で引き取るケースもある」と打ち明ける。ただ、爬虫類はそれも難しく、署に届けた人やペットショップに飼育を打診しているのが現状だ。 警察から引き取ったことがある広島市西区のペットショップ代表吉田貴成さん(47)は「エキゾチックアニマル人気は高く、コロナ禍で飼い始める人も多かった。その後外出機会が増え、餌や電気代など飼育費用がかさんで手放してしまうのかもしれない」と話す。 同課によると、飼っている動物を遺棄すれば動物愛護法に違反する可能性もあるという。会計監査官の高橋英己さん(56)は「飼い主は捨てない、逃がさないという最低限のマナーを守って」と呼びかけている。 エキゾチックアニマルとは 明確な定義はないが、日本獣医エキゾチック動物学会は「犬猫以外の飼育小動物」と定める。ハムスターなどの哺乳類をはじめ、爬虫類(はちゅうるい)、両生類、鳥類なども含む。ペットフード協会の2023年の調査によると、ペットとしての飼育数は爬虫類が犬、猫、魚類に次いで多く、鳥類を上回る。
中国新聞社