ONE OK ROCK VS Vaundy “世代”をまたぐ対バンシリーズ最終戦
■後輩からの下剋上に真っ向勝負 “次の次の世代”にも見せつけた偉大な背中
Vaundyとファンによる熱唱の余韻を引き継ぐかのように、屈指のシンガロングナンバー「We are」でスタートしたONE OK ROCK。冒頭から熱量にピークを付けつつ、Toru(Gt)のリードリフが疾走感を生む「Take me to the top」へとなだれ込んだ。 Ryota(Ba)とTomoya(Dr)が生み出す極太のグルーヴ、圧巻の合唱、そしてリアルタイムにライブ映像作品を見ているのかと思うほどのカメラワークでも惹きつけた「Cry out」を経て、Takaは今回の3公演について「普段ONE OK ROCKが交わらない人を呼んだつもり」と対バンに迎えた3アーティストを紹介しつつ、「日本の音楽というものは世界中に影響を及ぼす偉大なものだと思っている」と誇った。 ライブ中盤では「“世代交代”って言われちゃった…」とVaundyから向けられた宣戦布告に触れ、「俺も先輩のバンドを捕まえて言ってたなって。そんな当時の自分の気持ちを蘇らせてくれるような青年」と思いを馳せる。続けて「俺らが彼らくらいの年の頃っていろいろと手探りだった」と振り返りながら、Vaundyの楽曲やパフォーマンス、アーティストとしての姿勢に対して「日本の音楽の未来は明るいなと思う」と賛辞を送った。 そんな次世代を背負う後輩から提示された“世代交代”については、「俺らは素直なバンドだから、負けたと思ったら『負けた』って言って去るんで。もうちょっと関門の前にいる門番やらせてください」と受けて立つ。Vaundyをステージに呼び込んでコラボレーションを持ちかけ、Vaundyは「仕方ないなぁ」と挑発しながら、うれしそうな笑顔も浮かべた。 コラボに選ばれた楽曲は「欲望に満ちた青年団」。ONE OK ROCKがまだ先輩に噛みついていたであろう10代の頃に書き上げたこの楽曲で共演したこと、演奏後に「いいバイブスを持った青年。すぐにワンマンでここに立つと思う」と称えたこと、そして「このままだとバウくん(Vaundy)に全部持って行かれる。“伝家の宝刀”出しちゃおう」と言い、予定になかった「Wherever you are」を披露したことなどが、ONE OK ROCKからVaundyに寄せられる期待度の高さを示していた。 後輩のエネルギーから刺激を受け、その後の展開はまさに怒涛。「Wonder」「Make It Out Alive」といったスケールの大きなサウンドをパワフルに叩きつけ、ソリッドさと重厚さを兼ね備えた「Mighty Long Fall」「The Beginning」でオーディエンスを圧倒した。さらに、アンコールの1曲目では壮大な「Fight the night」を高らかに響かせ、「“大運動会”を開催します」という宣言とともにドームを全力疾走しながら「キミシダイ列車」を届けるなど、振り幅も見せつけた。 さらに、最終日だからこそのサプライズとして急きょ1曲を追加し、Takaが「俺の一番キライな曲」と呼ぶ「完全感覚Dreamer」を披露。曲中にはオーディエンスの中から子どもを呼び込み、ステージセンターのライザーへ立たせる場面もあった。 多くの先輩バンドの背中に追いつこうともがき、世界中のステージを経験した上で日本の音楽シーンを担う次世代との共演でも魅せたこの日。Takaは最後に呼び込んだ子どもに向けて「将来はロックスターだからな。俺の背中見とけよ」と伝え、メンバー4人はドームを埋め尽くしたオーディエンス全員にも威風堂々たる後ろ姿を見せつけながら、最後の一音まで鳴らしきった。 ■『SUPER DRY SPECIAL LIVE Organized by ONE OK ROCK』京セラドーム大阪公演セットリスト ▼Vaundy 01. 不可幸力 02. ZERO 03. 泣き地蔵 04. 裸の勇者 05. 踊り子 06. 恋風邪にのせて 07. タイムパラドックス 08. しわあわせ 09. トドメの一撃 10. CHAINSAW BLOOD 11. 逆光 - replica - 12. 怪獣の花唄 ▼ONE OK ROCK 01. We are 02. Take me to the top 03. Cry out 04. Stand Out Fit in 05. Mad World 06. One Way Ticket 07. 欲望に満ちた青年団 08. Wherever you are 09. Wonder 10. Make It Out Alive 11. Mighty Long Fall 12. The Beginning <アンコール> 13. Fight the night 14. キミシダイ列車 15. 完全感覚Dreamer