“瞳ちゃん”でお馴染み『あぶない刑事』長谷部香苗「令和の港署にもいます!」
『あぶない刑事』の劇場版最新作『帰ってきた あぶない刑事』が、5月24日に公開を迎える。横浜港署捜査課課長の秘書として歴代の課長を支え続け、舘ひろしが演じるタカ(鷹山敏樹)と柴田恭兵が演じるユージ(大下勇次)を何かとサポートしていたのが「瞳ちゃん」の愛称で親しまれている山路瞳だ。 【インタビュー写真】長谷部香苗「『帰ってきた あぶない刑事』ではちょっとだけ昇格してます」(撮影:清田大介) ニュースクランチでは、その役を演じている俳優・長谷部香苗に、『あぶない刑事』シリーズへの思いや、新作を撮り終えた感想を聞いた。 ◇「瞳ちゃん」が役作りのベースになっている ――8年ぶりの新作が公開される『あぶない刑事』シリーズは、長谷部香苗さんにとってどのような作品でしょうか? 長谷部香苗(以下、長谷部):私が演技の世界に入って間もない、21歳のときに運良く出会った「憧れていた世界の始まり」とも言える作品でした。撮影初日は、とても緊張して現場に入ったことを今でも覚えています。 ――『あぶない刑事』は、その後の長谷部さんのキャリアや生き方にどのような影響を与えていますか? 長谷部:舘ひろしさんや柴田恭兵さん、浅野温子さん、仲村トオルさん、木の実ナナさん、そして近藤課長を演じる中条静夫さんはじめ、共演させていただいた皆さんから、たくさんのことを学ばせてもらいました。 舘さんは、初めてお会いしたときから眩しすぎるくらいのスター性を感じましたし、恭兵さんの走り方やアクション、的確なアドリブを間近に見られたことは、貴重な経験でした。お二人の立ち居振る舞い、スタッフの皆さんを気遣う姿勢には学ぶことばかりです。 ――俳優・長谷部香苗にとって、山路瞳はどのような存在ですか? 長谷部:山路瞳はかなり自分の素が出ているんじゃないかと思います。「俳優・長谷部香苗」として、さまざまなトライを重ねていくうえでも、役作りやのベースになっているように感じます。 ◇長く続くシリーズだからこその変化もある ――「山路瞳」の名前を聞くと、課長からの「瞳ちゃん、お茶」というセリフを思い浮かべる方も多いと思います。テレビシリーズの放映開始から38年経ちましたが、そのあいだに女性の働き方にもさまざまな変化がありました。 長谷部:そうですね、「男女雇用機会均等法」(1985年制定、1986年4月施行)は、まさに『あぶない刑事』(1986年10月)のテレビシリーズを撮影しているときで、シリーズの作中に「男女雇用機会均等法」と書かれた張り紙の前で、近藤卓造捜査課長(中条静夫)が話すシーンもあるんです。長く続くシリーズだからこそ、時代の変化を映す部分もあるかもしれませんね。 ――昭和の頃には、職場の「お茶くみ」が女性に割り振られているケースも多かったと聞きますが、お茶を出すことに対して何か特別な感情はありましたか? 長谷部:仕事というよりは「飲みたそうな人がいたら出してあげよう」という気遣いの要素が強かったような気がします。当時の私は、誰かにお茶やコーヒーを出すことに対する違和感はありませんでした。38年後の最新作では、お茶を淹れることに関して多少の変化はありますが、変わらずに仲村トオルさん演じる町田課長とのやりとりを楽しみに見てていただけたらうれしいです。 ――多少の変化があるんですね。 長谷部:山路瞳は「瞳ちゃん、お茶!」で多くの人に親しんでもらっていますが、最新作では「自分で淹れて自分で飲む」くらいの気持ちで撮影に臨みました。 ――他にも変化があったことは? 長谷部:38年前の瞳ちゃんは庶務課に在籍する警察官でもあったので、制服を着ていました。最新作では、瞳ちゃんの階級も少しだけ上がっているので、スクリーンに映る姿を見て「あの頃からずっと港署にいて、日々、頑張ってきたんだな」と思っていただけたらうれしいです。 ――最後に『帰ってきた あぶない刑事』の公開を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。 長谷部:タカとユージの二人が本当に横浜に帰ってきてくれてうれしいです。舘さんと恭兵さんのアクションやバイクに乗る佇まいは、38年前と変わらずカッコイイですし、圧倒されるような存在感です。変わらないあぶなさと、令和のあぶない刑事ならではのお楽しみが満載な最新作を、ぜひ劇場で楽しんでいただきたいです。 (取材:白鳥 純一)
NewsCrunch編集部