原料から青カビ由来物質を検出 紅こうじサプリ、死者5人
小林製薬は29日、「紅こうじ」を使ったサプリメントを摂取したとみられる1人の死亡を新たに発表し、疑われる死者は計5人となった。大阪市で開いた記者会見で、体調不良を訴えた約800人について通院費用などを補償すると明らかにした。解析の結果、サプリ原料から青カビ由来の「プベルル酸」が検出。原因物質の可能性もあり、国立医薬品食品衛生研究所などと検証を進める。武見敬三厚生労働相は、原料を製造していた大阪工場(昨年12月に閉鎖)を大阪市と協力し30日に立ち入り検査すると明らかにした。 小林章浩社長は健康被害について「今回の件が社会問題にまで発展し深くおわび申し上げる」と述べ、公表が遅れたことを再び謝罪した。解明に大きな進展はなく、原因の明確な特定には至っていないとした。 健康被害の原因となった疑いがあるサプリの成分については「カビから生成された可能性はある」と説明、国や研究機関には青カビが産生する天然化合物プベルル酸が影響した可能性があることを報告したと明らかにした。厚労省によると、プベルル酸は毒性があり、腎臓への影響は不明という。