女優の星乃莉子が「業界を知らないような人たちから被害者と決めつけられている。尊厳を害されている」と訴え
「AV産業の適正化を考える会」が2回目のシンポジウム
女優の星乃莉子が4月4日、都内で行われた「AV産業の適正化を考える会」による2回目のシンポジウム「人権保護とAV製作を両立するにはどのようなルールが必要か?~ポスト適正AVにおける出演被害対策と表現の自由・職業選択の自由の両立について考える~」にパネラーとして参加した。 同会では2月20日にAV出演被害防止・救済法、いわゆるAV新法の問題点について各分野における専門家から国会議員に説明するシンポジウムを開催。今回は6月に迫ったAV新法の見直し期限に向けて幅広い立法関係者への認知と理解の促進を図り、問題点に関する議論の深掘りにつなげることを目的に行われた。 星乃は出演する側の意見として「契約から撮影まで1カ月、発売まで4カ月という期間が課されている問題については、内容が発表できないとか、そもそも商売としての自由がないというところはもちろんある。そういう経験はデビューしてからずっと感じていたところ。それ以外でも全く私たちの業界を知らないような人たちからの職業の決めつけというところで制限されている。本当に真剣に取り組んでいる人たちすら、被害者と決めつけてしまうというところに、本当に悲しいというか、尊厳を害されているかなという気持ちがある。すごく真面目に取り組んでいるにも関わらずそういう法律ができてしまうことで、企画単体の女優さんたちは特に生活にかかわる段階になっている。人生を左右されるような法律なのかと思っている。女性一人ひとりの人生だったり尊厳を左右したり、壊す可能性がある法律であることを考えていただきたいと思う。短い期間で決めるべきものではなく、ちゃんと当事者の見解を聞いていただきたいと思っている」などと語った。
また「この法律がどうなるかによって私の表現の仕方だったり、自由だったりとかが奪われることになるかもしれなかったので、当事者として自分の人生を考えるきっかけになった。今後、やむを得ずにアングラだったり、自分が望まない仕事に行ってしまう悲しい女の子が増えないように、私たちの一人一人の意見は小さい声ではあるんですが、国会議員の方々に自分たちの声が届くように願っています」とこの日、出席した国会議員たちに訴えた。 志は一緒にしながらも星乃のように表立って発言する者もいれば、そうではない者もいる。シンポジウム後の取材で星乃は「私は昔、パティシエをやっていて、お金がないという時代があった。そういう時に周りで風俗をやっていたりという女の子の“痛い”とか“怖い”とか“でもお金を稼ぐにはやらないといけない”といった話を聞いていた。そういう生々しい声を聞いていたうえで、全く同じではないけれど、セクシー女優とかエロを売る業界に入って、この法律って、一歩間違えればそういう女の子を増やす法律になりかねないと思った。周りにいたそういう女の子の声を聞いた身としても、自分が何とか、一つの声になれるのであれば協力したいなという思いで、表に出させていただいています」とその思いを口にした。 直接、またはSNS等を通じて間接的にも星乃にはさまざまな意見が寄せられているようなのだが「いろいろな意見があるとは思っている。私の意見が通らないとか、反対意見があることは女優業を始めた時から分かっていること。そういったいろいろな覚悟を決めて入った業界ではあるので、最後まで向き合おうかなと思っています」と決意を口にした。