マンションの大規模修繕が終わったら、予想以上に費用がかかりました。最近の物価高で次の大規模修繕までに必要額の修繕積立金が足りるのか不安です。 修繕積立金を運用することはできますか?
マンションを所有していると、毎月管理費のほかに修繕積立金を支払っていると思います。その修繕積立金は、基本的に10数年に1度行われるマンションの大規模修繕工事の際に使われますが、一般的には運用されずに定期預金等になっている場合が多いです。 まだ低金利の時代ですが、今後も物価は上昇基調です。少しでも修繕積立金を増やすために住宅金融支援機構が発行している「マンションすまい・る債」についてみていきます。
マンションすまい・る債とは
マンションすまい・る債とは、住宅金融支援機構(以下、機構)が国の認可を受けて発行している利付の10年債で、毎年1回定期的に利息を支払う債券です。 購入は1口50万円からで最大10回継続購入して積立が可能で、もし、途中で資金が必要になった際でも中途換金の手数料や残高証明書の発行手数料もかかりません。
債券の概要・特徴は
上記のとおり、1口50万円で複数口購入できます。購入金額は原則として、マンション全体の1年あたりの修繕積立金額および、前年度決算における修繕積立金会計の残高の合計金額の範囲内となります。
どのようなマンションが購入の要件を満たしている?
応募の要件は、まず、区分所有建物である分譲マンションです。つまり、賃貸マンションは対象ではありません。ただし、住居部分が含まれるマンション管理組合であれば、複合型(非住宅混在型)のマンション管理組合でも応募できます。また沖縄県に所在するマンションも対象外です。 また、購入できるのは管理組合ですが、そのマンションの管理組合は以下の4つの条件を満たしたものに限ります。 1.管理規約が定められていること 2.長期修繕計画の計画期間が20年以上であること 3.反社会的勢力と関係がないこと 4.機構融資を利用し、共用部分の修繕工事を行うことを予定しているマンション管理組合であること 債券を購入することに関して総会等の決議を必要とはしていませんが、修繕積立金の運用方法が管理規約で総会決定事項とされていることもありますので、確認が必要です。