秩父に佇む古民家カフェ、自然食と植物の魅力を――「お皿の上にお花畑を描こう!」
自然が大好きで、植物に囲まれた環境で、自然食を提供したいと考えたヨシさんは、2017年、都内から秩父市横瀬町に移り住みました。築100年を超える藁葺き屋根の古民家を、パートナーの「丸さん」こと、アクセサリー作家の丸山紡生さんと二人で、コツコツと修復し、3年後の2020年に、古民家カフェ『なないろごはん』がオープンしました。
のどかな場所で、のんびりお店をやろうと、営業日は、土・日、月の3日間でしたが、実際に田舎暮らしを始めてみると大変なことばかり……。 「薪割り、野菜づくり、料理の仕込みなどなど、田舎暮らしがこんなに忙しいとは思いませんでした。お休みの日に、寝込んでしまうほど、くたくたに疲れ果てるので、いまは不定期で営業しています」 そんな日常の中、ヨシさんの楽しみは、大好きな植物のスケッチです。季節の野菜、美味しいごはん、お店の日々の出来事、山里の田舎暮らし……、そんなイラストをポストカードにして、秩父市内の知人のお店に置いてもらったところ、たまたま編集者の目に留まり、この秋、芸術新聞社から『なないろごはん』という本が発売されました。
オールカラーで、まるで絵本のような料理本です。ヨシさんの描く絵は、どのページを開いても、野菜が生き生きしていて、美味しそうな料理の香りが漂ってきそうです。植物料理を研究して20年、秘伝のレシビも分かりやすく公開しています。 ヨシさんは『なないろごはん』の中で、こんなことを綴っています。
「蝶や鳥、昆虫、魚、そして空の色。自然界はとってもカラフルで饒舌。植物もまた、たくさんの色で私たちの目を楽しませてくれています。色とりどりの植物料理は、それだけでもう“食べるカラーセラピー”です。フードはムード。カラーはエナジー。お皿の上にお花畑を描こう!」 心と体をリフレッシュしに、この秋、秩父へ出かけてみてはいかがでしょうか。