新たに5社へ登録証交付 南信州民俗芸能パートナー企業【長野県】
民俗芸能の保存・継承団体を支援する「南信州民俗芸能パートナー企業」の協定締結・登録証交付式が2月29日、長野県飯田合同庁舎で開かれた。新たに5社が協定を結び、地域に根付く民俗芸能継承への協力を誓った。 パートナー企業として加わったのは、伊那谷サラウンド、岳、下平組、ホワイトラスト、龍共印刷の5社。各社の代表と南信州広域連合が協定を交わし、県が登録証を交付した。 交付式を終えた佐藤健南信州広域連合長は「古くから東西の文化が融合し、今なお多様な文化が残っている大事な財産。今後大きな変化を迎えようとしているが、地域の特徴を伝える中で伝統芸能は一つの大事な要素。支援の仕方はさまざまだが、これまで以上に伝統芸能を応援してほしい」とあいさつした。 登録企業を代表し伊那谷サラウンドの北林南代表はデザインの仕事を通じて感じた伝統芸能への思いを語り、「多くの異文化や価値観を受け入れる世の中になっても、まだ生活と分断されずに残り続けている。民俗芸能の価値と向き合いながら、つないでいく取り組みを行いたい」と意気込みを語った。 県南信州地域振興局の丹羽克寿局長は一昨年11月の風流踊(ふりゅうおどり)のユネスコ無形文化遺産登録に触れ、「次は飯田市の霜月祭りと天龍村の霜月神楽が登録を目指している」と経過を報告。「南信州の民俗芸能は内外問わず注目を集めており、保存・継承への機運も高まっている」としてパートナー企業の取り組みに期待を寄せた。 担い手不足や高齢化に悩まされる民俗芸能の継承を後押ししようと2015(平成27)年、継承団体や市町村、広域連合、県で組織する「南信州民俗芸能継承推進協議会」が設立。翌年にパートナー企業制度を始め、企業・住民・行政の連携により、民俗芸能継承の新たな形を構築した。今回の登録で加盟企業は105社になった。