阪神の掛布2軍監督がラグビー界から勝利&育成のヒントを学ぶ!
阪神の坂井信也オーナー(67)と掛布雅之2軍監督(60)が、明日、29日に神戸の神戸ユニバーを訪れ、ラグビーのトップリーグ、神戸製鋼コベルコ・スティーラーズvsNTTドコモ・レッドハリケーンズの試合観戦を行うことがTHE PAGEの取材で明らかになった。坂井オーナーは神戸製鋼の社外監査役を務めるなど、関西財界を通じて親交が厚く、互いに野球、ラグビーと競技と運営体制が違えど、プロスポーツチームの経営に携わっていることから定期的な交流を続けてきた。今回は、神戸製鋼サイドからの招待でオーナーと掛布2軍監督の観戦が実現した。 ラグビー界には、現在、空前絶後の大ブームが起きている。先のイングランド・ワールドカップで日本代表チームが、開幕戦で過去2度の優勝経験があってランキング3位の南アフリカを下すと世紀の番狂わせと世界中に打電された。ボーナスポイントの差で決勝トーナメント進出はならなかったが、3勝1敗の成績を残して大旋風を巻き起こした。特にキッカーの五郎丸歩のルーティンポーズが社会現象にまで発展。その余波で日本代表メンバーが各チームでプレーしているトップリーグの人気も沸騰して前売り券は、どこも完売状態だ(協会の手落ちで空席も目立つが)。 神戸製鋼からも、日本代表にフォワードから木津武士、山下裕史、伊藤鐘史、バックスからクレイグ・ウイングと計4人が選ばれた。特にフッカーの木津とプロップの山下の2人は全試合に出場。あの世紀の番狂わせを起こしたフィールドに立った。チームは開幕連勝中。しかも、今回の対戦相手のNTTドコモには、今季、その南ア代表の指令塔だったハンドレ・ポラード、FWのエベン・エツベス、BKのジェシー・クリエルという3人の代表が加わった。さしずめ、形を変えた南ア戦の再現である。 当日は、観戦するだけでなく、神戸製鋼サイドからレクチャーも受ける予定で、オーナー、掛布2軍監督が、それぞれの立場で刺激を受け、学ぶものは多いだろう。なぜ体格で劣り、どちらかと言えばラグビー後進国であった日本が一躍世界の仲間入りを果たせたのか。その組織論や、勝利へのメカニズム、長短期でのフィジカル、メンタル強化の方法など、野球に通じるヒントが少なくない。神戸製鋼は今季からスーパーラグビーの強豪、ストマーズで6年間ヘッドコーチを務めたアリスター・クッツェーを監督に招いた。南アの年間最優秀コーチ賞を受賞したことがある指揮官のチームマネジメントは、野球のマネジメントにも共通する部分があるのかもしれない。 掛布2軍監督は、若手育成のために技術、精神、肉体の強化をどう組み合わせていけばいいのかを色々と考え中で、やらされる練習でなく、自分から主体的に取り組む姿勢を身に着けると共に、ただガムシャラに練習量をこなすだけでなく、休養をうまく使って、いかに効率的に育成していくかもプランニングしている。フィジカルがメインとなるラグビー界の進化の仕方と接することで、基礎体力不足が問題視されている若虎育成のたにの必要な何かのヒントを得るのかもしれない。 掛布2軍監督は、評論家時代から格闘技やカーレースなど、異種競技のトップと接することでその視野を広げてきたが、今が旬のラグビーとの接点も、またチームが掲げた超革命のプラス材料となりそうだ。