神村学園が2-0で松本国際に勝利し3回戦進出「ゼロで抑えられたというより反省点が多い」有村圭一郎監督は初戦快勝に笑顔なし
12月31日、第102回全国高校サッカー選手権2回戦が各会場で行われ、ニッパツ三ッ沢競技場では2試合、実施された。第1試合はともに大会初戦となる神村学園(鹿児島)と松本国際(長野)が対戦した。 【フォトギャラリー】神村学園 vs 松本国際 赤のユニフォーム・神村学園は4‐4‐2の布陣を敷き、パス交換から機を見てはロングボールとサイドチェンジで相手陣内に侵入。多彩な攻撃で迫った。 神村学園には来季J2ベガルタ仙台への加入内定が決まったFW13西丸道人(3年)、そしてベルギー1部KRCゲンクへの加入内定が決まっているDF15吉永夢希がいる、いわゆるタレント集団だ。 一方、水色のユニフォーム・松本国際は4‐2‐3‐1を敷きながら、小気味よいパス交換から打開を図った。 試合は序盤から動いた。8分、神村学園。MF20新垣陽成(2年)から長い縦パスに右サイドのスペースに走りこんだFW13西丸のクロスにゴール中央MF14名和田我空(2年)が右足で合わせ、早くも先制。さらに24分、神村学園。中央からDF7有馬康汰(3年)、FW13西丸と渡り右サイドMF11大成健人(2年)がゴール前にクロス。相手の不十分なクリアを見逃さず、最後はDF7有馬が押し込み、追加点を挙げ、試合の主導権を握る。 3点目を狙う神村学園は前半同様、攻勢を強める。しかし松本国際GK高尾一輝(3年)を中心に粘りの守備を見せた。そんな中、30分、松本国際は右サイドの浮き球のパスに反応したFW9元木夏樹(3年)が最終ラインを突破し、GKと1対1になり、チップキックを繰り出したが、これが枠外。最大の決定機を外してしまった。 ただ、これが一つのキッカケとなった。ハードワークを信条とする松本国際が残り時間で猛攻を仕掛け、相手陣内に攻め込むもあと一歩及ばず。終盤の猛攻をしのいだ神村学園が松本国際を2‐0で下し、3回戦進出を決めた。 試合後、「前半、狙ったように点が取れたが、だいぶ堅いゲームになった」と総括した神村学園・有村圭一郎監督。 初戦の難しさがあるなかでの快勝だが、聞かれたのは反省ばかり。 「初戦ということもあり、プレッシャーにいけなくなってしまった。相手のリズムでサッカーをしてしまった」と振り返るとともに無失点で終えた守備について「最後の精度のところで、松本国際さんがうまくいかない部分があったので助かった部分はあった。完全に抜け出された場面があったので、ゼロで抑えられたというより、反省点が多い」と完封勝利の余韻に浸ることはなかった。 「チームに役立ったことはなかったので、個人的には最悪な出来だった」と主将FW13西丸道人(3年)が言えば、先制点を挙げたMF14名和田我空(2年)は「神村の14番なので自覚をもってチームを勝たせないといけない。まだまだこんな力じゃないとしっかり証明したい」と笑顔はなかった。 なお、3回戦は1月2日 等々力陸上競技場で神戸弘陵(兵庫)と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)