「Noism Company Niigata20周年記念公演『Amomentof』」記者発表の様子。

「Noism Company Niigata 20周年記念公演『Amomentof』」の記者発表が、本日4月19日に行われ、Noism Company Niigata（以下Noism）芸術総監督・演出振付家の金森穣、Noism国際活動部門芸術監督の井関佐和子、Noism地域活動部門芸術監督の山田勇気らが出席した。 【画像】井関佐和子（中央）（他5件） Noismは2004年に、日本初の公共劇場専属舞踊団として、新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館で設立されたカンパニー。今回はNoismの20周年を記念して、金森が演出振付を担う2本の新作「Amomentof」「セレネ、あるいは黄昏の歌」が上演される。 本企画の意図について井関は「20周年は通過点に過ぎませんから、お客様には穣さんが蓄積してきたものの次の一歩となる作品を観てほしい。そのため穣さんには『現時点で作りたいものを作ってください』とお願いした」と明かし、「Noismの設立時には子供だったメンバーも多い。若手が次の歴史の1ページを作ってくれるよう願っていますし、Noismを観続けているお客様はもちろん、そのお子さん、お孫さん、初めてのお客様にもぜひ来てほしい」と期待を込める。また井関はNoismの立ち上げを「昨日のことのよう」と振り返り、「当時25歳だった私は、自分が今の年齢まで踊っているとは思わなかった。でも私は20年の歩みの中で、『これこそが自分を生かす道だ』と定めたんです。振り返れば一瞬に思える20年ですが、道のりにはいろいろなことがありました」と感慨を述べた。 金森は井関の言葉に「素晴らしいあいさつ。私から言うことは何もないのでは」と笑い交じりにリアクションしつつ、今回上演される2作品について語った。「Amomentof」について金森は、同作が井関を中心とした内容となることを明かし、「実演家は小さい頃から稽古を積み重ねてプロになり、舞台で一瞬の勝負をします。マーラーを聴いたときに音楽から感じた『舞踊とは何か』を舞台に顕現させたい」「Noismの20年を具体的に想起させる演出をするので、我々を20年追ってくださっている方には涙が止まらない作品になるかもしれません。とはいえ初めての方にも、井関佐和子という舞踊家が蓄積してきた時とエネルギーが、舞踊芸術として昇華されるさまを観てほしい」と期待を口にする。 また金森は「セレネ、あるいは黄昏の歌」について「私たちは科学技術の進歩に恩恵を受けています。芸術には、科学技術の利便性によっておびやかされ、失われ、忘れられているものと向き合うきっかけを与える力がある。人間とは何か？ 情報技術の中で生活する私たちが忘れているものは何か？といったことを集団で表現できたら」とコメントし、「今私が考えているNoismの未来を、今回の2作品にすべて込めています」と言葉に力を込めた。 「Amomentof」にはNoismカンパニーが総出演する。2009年に発足した研修生カンパニー・Noism2を率いる山田は「普段Noism1のアンダースタディとして練習しているNoism2が表舞台に立ちます。今回はNoismカンパニーの層の厚さや空間の広がり、奥行きを表現できたら」と言い、「次の10年、20年に向け、今いるメンバーや、未来ある舞踊家に希望を与える公演になるよう、Noism2のメンバーと一緒にがんばっていきたいと思います」と意気込みを語った。 またNoismが立ち上がった頃は5歳くらいだったというNoism1の三好綾音は「昔は海外で働く先輩や劇場に憧れていた。でも今、日本の劇場の舞踊団で働けていることが誇りです。Noismは、海外への憧れにも負けない夢を20年かけて作ってくれました。この思いを乗せて良い公演にしたい」と笑顔を見せた。 さらに会見では、「舞踊とは何か」という問いについて金森が語る場面も。金森は「身体を持って生まれる限り、そこには舞踊が存在する。根源的な芸術である舞踊こそ『人間とは何か』を表現するのに最もふさわしい、というのが私の考え方。『人間とは何か』とは、どれだけ社会が発展しても問われ続けることです。私は命尽きるまで活動を続けていきますし、皆さんに私の存在意義を見出してもらえるような活動ができなくては、芸術家としての存在意義がない。だから『舞踊とは何か』という質問に答えるとしたら『私を見てください。それが舞踊です』ということですね」と話した。 「Noism Company Niigata20周年記念公演『Amomentof』」は、6月28日から30日まで新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、7月26日から28日まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで上演される。チケットの一般販売は明日4月20にスタート。なお同公演に先んじて「Noism0＋Noism1『セレネ、あるいは黄昏の歌』」が、5月18・19日に富山・前沢ガーデン野外ステージで披露される。 ■ Noism Company Niigata 20周年記念公演「Amomentof」 2024年6月28日（金）～2024年6月30日（日） 新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場 2024年7月26日（金）～2024年7月28日（日） 埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール □ スタッフ 「Amomentof」 演出振付：金森穣 音楽：Gustav Mahler「交響曲第3番第6楽章『愛が私に語ること』」 「セレネ、あるいは黄昏の歌」 演出振付：金森穣 音楽：Recomposed by Max Richter「Vivaldi: The Four Seasons」 □ 出演 「Amomentof」 Noism0 / Noism1 / Noism2 「セレネ、あるいは黄昏の歌」 Noism0 / Noism1 ■ Noism0＋Noism1「セレネ、あるいは黄昏の歌」 2024年5月18日（土）・2024年5月19日（日） 富山県 前沢ガーデン野外ステージ □ スタッフ 演出振付：金森穣 音楽：Recomposed by Max Richter「Vivaldi: The Four Seasons」 □ 出演 Noism0 / Noism1