小学生が生成AIをツールとして活用――学びの充実につなげる狙いは
▼小学校6年生 「AIに答えだけを教えてもらうと、その場しのぎで終わるには終わるけど、その後のテストで解き方がわからなくなって、点数が取れない。」「答えを教えてもらうだけではなくて、ちゃんとどう解くのかを理解して、問題を解くのが大事だと思っています」 さらに、ほかの児童は1年を通じて繰り返し生成AIを使うことによって、使い方に変化があったといいます。
▼小学校6年生 「最初はわからないことを聞くことが多かったけど、今は自分が最初考えてから、わからないことをまとめて聞くようにしています」 また、生成AIを利用するときに気をつけていることについて聞くと…… 「出してきた回答をうのみにせず、必ず確認して自分でもすること」「あとは例えば文章を書くときに、最初から生成AIに書いてもらうと自分の意見が書けなくなってしまうので、まずは自分で書いて、それを添削してもらうようにしてます」
■“生成AIっぽさ”に気づく感覚
小学校段階での生成AIの利用については、生成された答えの丸写しや悪用など、思考力や創造性の低下が懸念がある一方で、特性を理解し、使う回数を重ねることで、いくつかメリットもあるといいます。 和田先生 「生成AIにどんどん質問をして、対話を重ねる中で、こどもたちは生成AIが作成してきた文章の”AIっぽさ”に気づける感覚が身についているように感じます」「実際に僕が生成AIで作成した文章に対して、先生それAIでしょと指摘されたこともありました」 さらに学校で使うメリットとして、友達同士で使い方のコツや生成AIを活用できる場面などについて共有し、使い方の幅が広がっているといいます。
■学校現場でのさらなる拡充に向けて
学校によって取り扱いに差が出始めている生成AI。文部科学省では現在、生成AIの教育現場での利用についてガイドラインの改訂に向けた議論を開始していて、今年の冬頃に更新される見通しとなっています。 今後、こどもたちが向き合っていくことになる生成AIについて、正しく性質を理解し、ツールとして使いこなせるよう、こどもたちにどう学びの場を提供するか問われています。