母から、タンス預金でコツコツ貯めた「100万円」を渡したいと連絡がありました。受け取りたいのですが“贈与税”はかかるのでしょうか? なにか注意点はありますか?
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 図表2(特例贈与財産)
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 例えば、18歳以上の成人男性が300万円のタンス預金を父から受け取った場合、課税金額は、300万円-110万円=190万円となります。 この金額に対して特例贈与財産の税率10%をかけると、190万円×10%=19万円となり、贈与税額は19万円となる計算です。 贈与税を支払わなくてはならない場合は、贈与された翌年の2月1日から3月15日までに申告と納税をします。
100万円の贈与でも税金がかかる場合
100万円の贈与に対しては基本的に贈与税がかかりませんが、いくつかのケースでは税金を支払う必要があります。ここでは、100万円の贈与でも税金がかかるいくつかのケースを紹介します。 ■他の人からも贈与を受けている場合 贈与税は、1年間に受けた贈与の総額に対してかかります。1人から受け取った金額が100万円でも、他の人からも贈与を受けて合計金額が110万円を超えてしまうと、贈与税がかかります。 例えば、母親から100万円を受け取り、祖父からも100万円を受け取ったケースでは、合計金額の200万円に対して贈与税の計算が行われます。したがって、課税金額は200万円-110万円=90万円となります。 特例贈与財産の税率から計算した贈与税額は、90万円×10%=9万円です。 ■贈与から7年以内に贈与した人が亡くなった場合 贈与税には「7年ルール」と呼ばれるものがあり、贈与から7年以内に贈与者が亡くなった場合、受け取った贈与財産は相続財産とみなされます。そのため、100万円以下の贈与であっても相続財産として相続税が課されてしまいます。 ただし、4年以上前に受け取った贈与財産については、100万円を控除した金額が相続財産に加えられます。3年以内の贈与については全額が加算されます。なお、この7年ルールは2024年1月1日以降に行われた贈与財産に適用されるものです。それ以前に受け取った贈与財産は、改正前の3年ルールが適用されます。 ■定期贈与とみなされる場合 毎年決まって100万円を受け取るようなケースでは、定期贈与とみなされる可能性があります。定期贈与とは、毎年決まった金額を渡すとあらかじめ約束された贈与のことです。例えば、毎年100万円を5年にわたって贈与するという定期贈与の場合、500万円を贈与したものとみなされ、贈与税が課せられます。 ただし、毎年100万円を受け取ったからといって、必ず定期贈与とみなされるわけではありません。定期贈与とみなされるには、毎年贈与することがあらかじめ決まっていたか、ということがポイントになります。 100万円を受け取るたびにその都度贈与契約書を取り交わせば、毎回新たに結ばれた贈与契約とみなされ、定期贈与の要件からは外れます。定期贈与とみなされるか心配な人は、このような対策をとるとよいでしょう。
100万円のタンス預金をもらっても贈与税はかからない!
100万円のタンス預金を受け取っても、基礎控除内であるため贈与税はかからず、税務署へ申告する必要もありません。ただし、贈与があった証拠として贈与契約書を作成しておくと安心です。また、お金が自分の管理下に入ったことを示すために、銀行口座へ同額を振り込んでおくとよいでしょう。 出典 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部