バドミントンS/Jリーグ 今シーズンで引退の三菱自動車京都の常山明良選手が地元で逆転勝利!
1月28日に国内の実業団チームを中心に争うバドミントン日本最高峰のリーグ戦「S/Jリーグ」が京都で開催されました。 今回開催された1部リーグに京都からは、男子は「三菱自動車京都」、女子は今年から1部に昇格した「プレンティグローバルリンクス」が参戦しています。 全5試合を戦うブロック戦で、この日時点で、1勝3敗の男子の三菱自動車京都のブロック最終戦の相手は、ここまで1勝2敗の豊田通商です。 この試合の勝敗が、両チームにとって今シーズンの順位に大きく関わってきます。 試合は団体戦で、ダブルス、シングルス、ダブルスの順で3試合が行われ、2勝したチームが勝利となります。 最初のダブルスを落とした三菱自動車京都は、続くシングルスに登場したのは、チーム在籍10年目、滋賀県出身の常山明良選手です。 この試合は、チームにとっても常山にとっても大事な一戦でした。 【声】三菱自動車京都 常山明良 選手 「若い子も入ってきていて、このままずるずると続けていても自分としても出場機会が減るし、年を取って自分が今の実力よりも弱くなっていくというのもちょっと嫌だったので、ここで一旦区切りをつけようかなと思って」 地元・関西で家族も見守る中、今シーズン限りの引退を勝利で終えたい常山ですが、その前に立ちはだかるのは豊田通商のキャプテン・北里です。 第1セット、「最後の一戦かもしれないというプレッシャーを感じていた」という常山は、思うようなプレーができず、このセットを落としてしまいます。 負ければ終わりの第2セット、常山は、自分の原点である粘りのプレーを意識して臨みました。 前後に揺さぶってくる相手の攻撃に対し、しぶとく反応し、少ないチャンスで、コースをねらったスマッシュを決めます。 常山は、このセットを奪い、勝負は最終セットへもつれ込みます。 最終セットでも常山は持ち前の粘りのプレーを見せます。 相手の強烈なスマッシュを何度も跳ね返し、ミスを誘います。 常山の粘りのプレーの前に相手も天を仰ぎます。 最後は、強烈なスマッシュを叩き込み、見事な逆転勝利を収めました。 試合後、常山の目には光るものがありました。 【声】三菱自動車京都 常山明良 選手 「みんなに見てもらえるのも最後というのと、試合に勝てて良かったなという・・・」 【声】妻・未帆さん 「もう かっこよかったの一言です。」 【声】父・兼二さん 「努力するタイプなので センスは無いです。 ただ努力だけ それをやってきたなと思っています。」 【声】母・美由紀さん 「お疲れ様でしたということと、これから違う形でバドミントンにも関わっていくと思うので、そっちでも活躍して欲しいし、家族を大事にやっていってほしいと思っています。」 常山の勝利の勢いそのままにチームは、最終のダブルスでも勝利し、地元・京都のファンの前で勝ち点を獲得しました。 【声】三菱自動車京都 常山明良 選手 「小さい頃からバドミントンをやっているので、生活の一部にもなっているというのもあったので、引退はするけれど たまに練習に行ったりとか、自分の健康意識のためにも続けていこうと思っているので、引退の寂しさというのは特に無くて、このチームでこういう試合ができなくなるという寂しさはあります。」 今年から1部リーグに昇格した女子の「プレンティグローバルリンクス」。 シングルスに出場した石川県・金沢向陽高校に在学中の南部琉叶伽選手は、元日、能登島の祖母の家に帰省中、地震の被害にあいました。 そんな状況の中、思いを持ってこの舞台に立ちます。 【声】プレンティグローバルリンクス 南部琉叶伽 選手(石川県・金沢向陽高校) 「(地震の被害によって)石川県ではバトミントンなどをできない人もいるので、その人たちにちょっとでも元気を与えられるくらい自分が全力でがんばれたらいいなと思います。」 試合では敗れたものの、初めての日本最高峰の舞台を経験し、これからの飛躍に向けて南部は前を向きます。 【声】プレンティグローバルリンクス 南部琉叶伽 選手(石川県・金沢向陽高校) 「粘り強くラリーをして、見ている人が楽しいと思えるぐらい元気なプレーができる選手になりたいです。」 両チームは、2月23日に東京体育館で行われる順位決定戦に挑みます。 男子の三菱自動車京都は、5位6位決定戦で日立情報通信エンジニアリングと戦い、女子のプレンティグローバルリンクスは、東海興業と11位12位決定戦に臨みます。