引きずり回し雨乞い祈願「おびんずるさん」“泣かせれば雨降る” 水不足で救い求める 山梨県
YBS山梨放送
雨をわずらわしく感じることも多い季節ですが、昔の人にとっては恵みの雨でもありました。 南アルプス市でかつて、水不足に苦しんだ人々が救いを求めたのが「おびんずるさん」です。 南アルプス市の長谷寺です。 この辺りは干ばつに苦しめられた御勅使川の扇状地で、古くから雨乞いが行われてきました。 日照りが続くと、人々は本尊の十一面観世音菩薩に祈り、境内の「雨乞い橋」と呼ばれる橋の上から池に御神酒を注ぎ、雨を祈願したといいます。 荒木キャスター 「どうしても雨が降らないとき……人々が雨乞いの儀式に使ったのが、こちらの『おびんずるさん』です」 お釈迦様の弟子である十六羅漢の筆頭で、病気を治す力があるとされる「おびんずるさん」。 長谷寺では、「おびんずるさんを縄で縛って引きずり回し、泣かせれば雨が降る」と伝えられていて、この雨乞いの儀式は昭和20年ごろまで行われていたといいます。 長谷寺 岩崎璋圭 住職 「お月夜でも焼ける」とうたわれた原七郷。 雨への祈りが捧げられた長谷寺は、水を求める人々の拠り所となっていました。